キャリアガイダンスVol.417
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 横浜市立横浜総合高校が地域活性化プロジェクトで連携しているのは「横浜で一番元気な商店街」を自任する弘明寺商店街、人口約20万人を抱える横浜市南区である。横浜の中心部にほど近い、横浜市営地下鉄と京急電鉄2つの弘明寺駅の間、約300メートルに広がる商店街の人通りは多く、春になると花見客でも賑わう。このすぐそばに開校12年目の同校が移転してきたのは2013年度の8月。遡って03年、港高校・横浜工業高校・横浜商業高校定時制の3定時制課程を再編整備し、県内初の3部制・単位制総合学科高校として開校したのが横浜総合高校だ。 移転と同時期に赴任してきたガイダンス部主任の近藤哲史先生が「自分たちでは〝伸びしろ日本一〞と言っています。例えば中学時代不登校だった生徒が目の前で立ち直っていく、そういった姿が励みになっています」と表現するように、多様な生徒が自分のペースで学び、早ければ3年、最長6年をかけて所定の単位を修め卒業していく。移転計画が持ち上がった時から「地域との関係が成否を分ける」と考え移転直後から地域貢献活動をスタート。年3回、商店街や学校周辺の清掃に取り組んでいる。また、部活動で商店街のイベントを手伝ったり、近隣の老人福祉施設の方々を学校にお招きするなど、地域の中で生徒の活躍の場を広げてきた。 総合的な学習の時間を担当するガイダンス部で企画した地域活性化プロジェクトは15年度より「コミュニケーションとプレゼンテーション」の単元で実施されている。商店街と南区役所から提示された課題に対してグループで解決策を提案する約3ヵ月間のプロジェクトだ(図1)。 同校は午前中のⅠ部、午後のⅡ部、夜間のⅢ部と12校時まで、各年次の入学定員は400人弱、全校で約1100人という大きな学校だ。普段は個々人で時間割の違う各年次生が、同じ時間に授業を受けるのが1年次の産業社会と人間、2年次以降の総合的な学習の時間である。移転前は進路未定のまま卒業していく生徒が4割近くいた同校では、ここ数年で内容の充実を図ってきた。 3年次の11月から1月にかけて行うプロジェクトで身に付けたいのは「聞く・伝える」という基本的なコミュニケーションの力。社会人としての基礎的な力であることは言うまでもな聞く・伝える力を付け早期退職や中退を予防する※ダウンロードサイト:リクルート進学総研 >> 発行メディアのご紹介 >> キャリアガイダンス(Vol.417)2013年、活気あふれる弘ぐみょうじ明寺商店街近くに移転した3部制定時制の横浜総合高校。移転当時から築いてきた地元との関係を土台に、「総合的な学習の時間」で地域課題に取り組む単元が設けられました。うちの生徒だから、都会の学校だから余計に価値があると先生方が語る実践内容を紹介します。商店街と区役所からの出題に応える活動を通して聞く・伝える力を付ける取材・文/江森真矢子横浜総合高校第11回(神奈川・ 横浜市立)図1 3年次(以降)総合的な学習の時間の単元「コミュニケーションとプレゼンテーション」の内容「聞く・聴く力(理解する力)」と「伝える力」について学び、①社会人として必要な力の基本を付け②途中退学・早期離職を防ぐ学習●目的とゴールイメージ提示●課題とその背景説明●グループづくり●取り組み課題決定●ブレスト・KJ法練習●商店街の長所短所検討●課題の真の原因検討(なぜ?を5回重ねる)●解決のアイデア出し●課題解決の方向性決定●連想ゲーム(無言で、ヒントから言葉を当てる)●前回出したアイデアから現実的なものを抽出●依頼者や利用者の反応を考える●企画書を書く●ポスター完成●説明シナリオor原稿完成●発表練習(音読セッション)●課題の依頼者を招いてのポスターセッション●相互評価(投票)●企画書に沿った実地調査●インターネット、図書室などでの調査〈Like!Work講座〉●社会人から企画やプレゼンについて学ぶ (希望者)10/26オリエンテーション11/9ブレインストーミング11/22企画書制作地域貢献活動Like!Work講座調査課 外内 容得てもらいたい経験やスキルポスター制作1/11ポスター制作1/25ポスターセッション12345ブレインストーミング/ KJ法/話し合い/共創的ディスカッション/合意形成伝える難しさ、伝わる喜びを知る/他者の立場に立って考える/アイデアの吟味異年齢コミュニケーション/調査スキル/チームワーク/大人や仲間の意見を聞く不特定多数に対する発表(伝える)をする/仲間の発表を聴く462017 MAY Vol.417

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