キャリアガイダンスVol.417
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高校生活で養う課題意識・コミュニケーション力これからの推薦・AO入試指導生徒の志望理由書を書かせようとしましたが、生徒自身の志望学部・学科や大学がみつからない、固まらない、定まらない、の”3ない“で困っています。2020年の大学入試改革においては、学力試験以外に「学力の3要素」を問う内容として今まで実施されてきた推薦・AO入試の試験方式が多く採用されると言われています。今年度は、推薦・AO入試対策指導でよく出る質問、そして今後改革される大学入試対策として出てくる質問について、藤岡氏が答えていきます。連載 志望理由書を書く以前にどこで、何を学びたいのかが定まっていなければ、前に進めることは難しいですね。同じようなお悩みを抱える先生方も多いのではないでしょうか。 まずは学部・学科選びからお答えしましょう。一般的に、生徒が将来に就きたい職業と学部が直結している場合は困ることはないと思います。医者になりたいのであれば、医学部。弁護士になりたいのであれば、法学部と志望学部選びは難しくはないでしょう。しかし、将来就きたい仕事がまだ決まっていない場合、または就きたい職業と学問の関係性がわかりにくい場合は学部・学科を選ぶことは難しくなります。もし、広告代理店に勤めたいのであれば、経済学部でしょうか、社会学部でしょうか、はたまた経営学部でしょうか…?考えれば考えるほど難しくなります。 では、なぜ学部・学科選びが難しいのか、原因から考えていきましょう。 大学での学びは高校までとはどのように違うのでしょう。答えや考え方を覚え、理解し、テストで答えることで単位を得て卒業する高校までとは異なります。もともと、近代の大学では、フンボルト理念といい、研究を通じた学びが一般的でした。まだ答えがない、わかっていない事象について、答えを紡ぎ出す〝研究〞を通じて学んでいく探究型の学びのスタイルです。まだわかっていない事象を探究するときには武器が必要です。それが学問なのです。 次ページに挙げた慶應義塾大学総合政策学部・井庭 崇准教授の図が〝研究とは何か〞ということをわかりやすく示しています。井庭准教授によれば、研究とは既知の領域という穴から、未知の領域へ掘り進み、既知の領域を増やしていく作業です。この作業を通じて、掘り進む本人は学びを得るわけですが、掘り進む時のこのツルハシが学問に当たるのです。よって大学に入学する理由は「突き詰めてみたいテーマがある」ことが前提になるはずなのですが、そのテーマがない場合が多いようです。 希望する職業と学問の関係が明確でなければ、当然ながら、テーマを突き詰めるための学問、そして志望する学部や学科は選べないでしょう。まずは学ぶテーマを決めることが重要なのです。しかも、そのテーマはまだ、答えがみつかっていないようなテーマが良いでしょう。 もし、仮に大学で学びたいテーマが決まっているとしても、そのテーマが深掘りされておらず、焦点化されてい高校の学びから大学の学びに転換できていない学部・学科選びが難しい理由1テーマを深掘りしておらず、焦点化されていない学部・学科選びが難しい理由2482017 MAY Vol.417

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