キャリアガイダンスVol.417
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成長しきれない人だっている。 だから高原先生がまず求めるのは「熱心な初心者」になることだ。今はまだできないことが多い初心者であっても、やってみたい、教えてほしい、と自ら学ぼうとする姿勢を打ち出していくこと。 「集団の中にそうした熱心な初心者がいると、授業でも部活動でも、個にとどまらず全体が伸びるんです。非常にチームの力になる。僕が最近思うのは、生徒たちは授業をお客さんとして受けている、ということです。そうじゃない。ここの学びの場は君たちが創るんだ。だからまずは授業を『一緒にやろうぜ』と言っています。お客さんになっている生徒を、コミュニティの当事者にしたいんです」生徒を見取って授業をデザイン「自分はこの程度」と自ら天井を設けていた生徒が、周囲との関わりを通して壁を突き破れるように。人が集い、お互いがお互いにプラスをもたらすような場を、生徒と共に創ろうとしている先生の実践をご紹介します。取材・文/松井大助撮影/竹内弘真 瀬谷高校は、学力的には神奈川県内で中堅校にあたる。同校の高原先生は、この学校の生徒たちの良さを肌で感じてきた。例えば班活動になじめずにいる生徒がいると、周囲は非難も無視もせずさりげなく輪に入れようとする。優しいのだ。 気がかりな点もある。大学入試センターの調査発表を聴いたとき、高原先生は自分の懸念がその調査結果と一致していたのを知った。首都圏の公立高校10校を調査したところ、中堅校では、同級生の学ぶ姿に刺激されて生徒ががんばるという雰囲気が希薄で、家庭学習の習慣がない生徒も多い、というのだ。高原先生自身、生徒から吐露されたことがある。 「『飛びぬけた成果はいらない』というんです。努力して目立つことや、挑戦して失敗することをしたがらない。目立たず無難にやって『人並みプラスちょっと』の評価をもらえればいい、と」 だが、おとなしくしていれば評価されるのは「学校ローカル」。その態度を取り続けたら将来の選択肢は狭まる、と高原先生は危ぶむ。だから生徒に問いかける。 「高校を出たあとで『どういう人と働きたいか、学びたいか』を考えたらどう? 今のままの自分で選ばれると思う?」 では、周囲から一緒に働きたい、一緒に学びたい、と思われるのはどんな人だろう? 知識やスキルをたくさん身に付けるのも手かもしれないが、短期間では急瀬谷高校(神奈川・県立)お客さんでいる生徒を「熱心な初心者」に教師になろうと思ったきっかけは、小学生のときに「一緒に遊んでくれて、一緒に給食のおばさんに怒られるような先生」と出会えたこと。前任校では年中無休といっていいぐらい、部活動にものめりこんだ。瀬谷高校には9年在籍、2018年度に神奈川県立相模原中等教育学校に異動。物理高原 隆先生図1 プリント記載の今回の授業の学習目標・態度目標【学習目標】 波に関する用語を理解し、使えるようになる【態度目標】 学習目標の「全員達成」=「一人も残さない」を目指す。 書き出す(考える)、説明する、質問する、聴く、話す、時間守る、ふり返る 「ここがよくわからない。教えて」はチームの財産です。大切にしましょう。 「ありがとう」の魔法を恥ずかしがらずに実感してみましょう(体験する、が大切です)【参考】 リーダーシップ最小三行動 ○目標の設定・共有 ○率先垂範 ○同僚支援(環境整備)582017 MAY Vol.417

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