キャリアガイダンスVol.417
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学習・進路指導主任青木凡枝先生 白鷗大学足利高校は富田キャンパスと本校舎、2つの校舎を持つ私立高校。ほぼ全員が四年制大学を目指す富田キャンパスで学習・進路指導主任を務める青木凡枝先生は、これまで進学指導をしたり担任として3年生の生徒に接しているなかで「漠然とした思いで文理選択をしている生徒が少なからずいる」という課題感があったそうだ。具体的には、イメージで決める、迷ったからとりあえず理系にしておく、保護者のすすめで決める、単純に苦手な教科を避ける、など。また、学部学科や入試方法も多様化しているため、生徒だけではなく教師にも迷いがあったという。 同校はスーパーサイエンスハイスクール指定校であり、それに関連する多彩な行事も進路学習に活かしている。そして、スポーツや文化祭などの行事も盛んで、生徒も教員も非常に多忙だ。そんななか、一人ひとりの進路目標を実現できるよう、職業も意識し悔いのない文理選択をさせるにはどうしたらよいかと考えていた。 「限られた時間の中での最良の方法を模索していました」と青木先生。「きちんとした文理選択は目標に向けた学習においても大切だからです」。そこで生徒に配布したのが『文理・科目選択応援BOOK』。78の学問と542の仕事が一覧となっており、学問と科目、仕事と学科やコースが関連づけされている。また、付属のワークシートへの記入で、自然と学問や仕事について考えられるようになっている。 9月にこの冊子を配り、11月にリクルートによる文理選択講演を実施。冬休み中に家族とよく相談し、1月に文理を決定というスケジュールにした。多くの冊子やワークシートがあってもやりこなせないので、青木先生が厳選した1種類のみを活用、そして生徒が真剣に耳を傾ける〝外部の人〞による講演。少ない時間で最大の効果を得られるものをと考えたという。そして2年生になったら、夏休みのオープンキャンパスにできるだけ多く行くように指導。2年生後半にはいったん志望校が決定していることが理想的だ。 3年間、この流れでの進路指導に取り組んで、青木先生は「判定をくつがえして合格できる生徒、よくがんばったと思える生徒は、やはり学部学科や志望校を決めるときに強い心や強い決意をもてた生徒なのだと実感しました。そういう生徒は苦手な科目も逃げずに取り組めます」と言う。今後は冊子やワークシート、講演を活用しながら、さらに進路指導全体を見直し、学問、職業のみならず、より広い意味で自分がどんな力を身に付けたいか、どう社会で活躍するかを考えさせたいそうだ。「また、講演は教員にも刺激になり、指導の一律化の一助になりました」と振り返り、今後も継続して取り入れていく考えだという。漠然とした思いで文理選択をする生徒が少なからずいる目標をもって文理選択をすると最後までがんばり抜くことができる仕事・学問・科目を関連づけ後悔のない確信を持てる文理選択へ白鷗大学足利高校(栃木・私立)課題活用 自己理解  文理選択  職業観育成  学部・学科研究【活用キーワード】冊子がいたずらに多くてもやりこなせないことから、薄くてコンパクトにまとまった『文理・科目選択応援BOOK』(現在は『文理・科目選択にも使える!仕事・学問BOOK』にリニューアル)のみを学校で配布する文理選択の資料とする。ワークシートが付いていることがポイントで、それに記入することによって、考える、引き出す、項目を埋めるために冊子を読むという行動を促すことができる。一つずつ丁寧に読まなくても、どんな仕事、学問があるか全部に目を通すようアドバイス。「文理融合の学部もあるよ」「教養学部ってなんだろう?」「その学部は◯◯大学にあるから調べてみて」などアドバイスする。また、生徒がワークシートに記入しているときは、どこで手が止まっているかに注意して見守るようにする。● 文理選択のための情報は 1冊のみに集約外部による文理選択講演会は都合がつく限り、教員にも参加してもらう。進路指導に不慣れな教員、若い教員などによる指導の格差をなくすためだ。「20年後の社会の姿」など社会情勢についても簡単に触れられており、教員が自ら調べる手間を減らすことができる。● 文理選択講演会はなるべく 多くの教員にも参加してもらう● 講演後のアンケートでは98%が 「とてもためになった」「ためになった」文理選択講演後は生徒にアンケートを実施。自由記述の一例として以下のようなものがあった。「『未知の環境でも自ら動く』この言葉には本当の共感がもて、そうしたいと思う。他の人がやるから良いのではなく自分が、自分で、自分のためにも動くことが大切で、その時真価が発揮されると思う」「文理選択が将来に大きな影響を与えると改めて実感することができたと思います。また決めるときのアドバイスなども多くためになりました。将来の仕事の状況などの予想などもとても興味をひかれました」「とても感銘を受けた。早く大学に行きたいと思った」とてもためになったためになったためにならなかった全然ためにならなかった未回答リクルートサービスを活用した実践事例【進路】取材・文/永井ミカ創立1915年/普通科 ●本校舎生徒数1235人(男子636人、女子599人)/進路状況(2017年3月実績)大学進学150人、短大進学24人、専各進学122人、就職80人●富田キャンパス生徒数505人(男子215人、女子290人)/進路状況(2017年3月実績)大学進学180人、短大進学2人、専各進学8人、就職2人642017 MAY Vol.417

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