キャリアガイダンスVol.417
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82017 MAY Vol.417これからこれからのの社会社会ででなぜなぜ「多様性」「多様性」がが求め求められるのかられるのか障がいのある人などとともに「ものづくり」をするインクルーシブデザインの専門家であり、その手法を企業の製品開発や人事研修、さらには小中高校のキャリア教育にも応用している、京都大学総合博物館の塩瀬隆之准教授。専門はシステム工学。経済産業省での勤務経験があり、中教審の専門委員も務めるなど、多様な場で、多様な働き方を実践している氏に、これからの社会で必要なことは何か、本音で語っていただきました。しおせ・たかゆき●1973年大阪府生まれ。京都大学工学部卒業、同大学院修了。博士(工学)。京都大学総合博物館准教授などを経て2012年6月退職。同年7月より経済産業省産業技術環境局産業技術政策課技術戦略担当課長補佐。14年7月京都大学総合博物館准教授に復職。共著書に、『科学技術Xの謎』『インクルーシブデザイン』など。日本科学未来館“おや?”っこひろば総合監修者。NHK Eテレ『カガクノミカタ』番組制作委員。中央教育審議会初等中等教育分科会専門委員。 「なぜ多様性が求められるのか?」と問われることがあります。敢えて問わなければいけないことでしょうか。好むと好まざるとにかかわらず、グローバル化は進展し、世の中は多様性に満ちています。もはや、過渡期という表現も適切とは思えないほど社会は激変しました。私の身近なところで言えば、留学生であふれる京都大学のキャンパス。学生食堂では、イスラム圏からの留学生に配慮して、ハラール認証された食材を使ったメニューを随分前から提供しています。また、グローバル採用された中国人やインド人が、流暢な日本語で「ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします」と挨拶している様子を見ると、同じ年代の日本人学生に勝ち目があるのかと心配になります。 働き方も多様になってきました。2012年から2年間、経済産業省で技術戦略担当課長補佐として働いていた際、日本企業に普及させたかったことの一つが、社内に多様さを持ち込み、新たな価値と刺激を生む副業の解禁です。賛成と反対の両方の声が聞こえるなか、当時は時期尚早の感がありましたが、ここにきてパラレルキャリアなどの言葉も使われるようになり、多様な働き方が広がりつつあることを嬉しく思います。 一方で、いまだに「40年1社勤め上げ」信仰があるのも事実です。20年ほど前には、工学部の学生にとって家電や半導体事業は花形で、人気の就職先でした。それが20年を経て、よもや事業部が外国企業の傘下になったり、リストラの対象となったりするとは誰も考えていなかったと思います。ただし、そういう立場に身取材・文/堀水潤一 撮影/平山 諭塩瀬隆之京都大学総合博物館 准教授世の中は多様性で満ちあふれている働き方の多様化に逆行する40年1社勤め上げ信仰

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