キャリアガイダンスVol.431
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のすべての項目で高校生、保護者共に「期待」が5割を超え、「不安」を大きく上回っており、改革の方向性が広く受け入れられていることがわかる結果となった。また、高校生はすべての項目で保護者を上回っており、当事者として〝学習のあり方〞が変わることへの大きな期待が感じられる。 改革への期待の理由を見ると(フリーコメント2)、高校生からは「学び合う授業なのでわからないことが聞きやすくなる」「苦手な学習内容を自分のペースで学習できる」など個々人を尊重する流れへの期待、保護者からは「暗記型ではなく自ら考えて行動できる人を育成する取組」「学力の3要素が向上するカリキュラムに期待」など、これからの社会で必要とされる能力が身に付くことへ期待が挙げられている。 一方、不安の理由を見ると、高校生、保護者共に、改革によって求められることが増えたり、レベルが高まったりすることについていけるのか、加えて教員が変化に対応できるのかという不安を保護者は感じているようだ。 入学者選抜の具体的な手段については不安が高いが、「学力の3要素」の 一方、高大接続改革に関する設問のうち、【高校の教育】の改革内容については、保護者も高校生も期待が大きい結果となった(図2)。 特に高校生の期待の1位「ICT技術を活用し、一人ひとりが最適な学習内容と進度で学べるようになる」は「期待できる」が42%と突出、「期待・計」は7割に及ぶ。2位は「先生が知識を教え込む授業から、生徒が主体的に考え、学び合う授業に変わる」(63%)。 保護者の1位は、高校生の3位「生徒が自らテーマを設定し、調べたり解決に向けて取り組む探究学習が重視される」で共に62%に上っている。 ここ数年取り組まれてきたアクティブ・ラーニングや、今後推進される探究学習へ親子とも期待が高いことがわかった。 「生徒自身が基礎学力の定着を把握する高校生のための学びの基礎診断」の開始や「学んだことや経験したことを振り返り、次の目標を立てるポートフォリオ」導入も含め、高校教育改革高校生(n=1938)保護者(n=1722)ICT技術を活用し、一人ひとりが最適な学習内容と進度で学べるようになる19.135.720.45.412.47.041.728.512.64.910.81.470.254.817.525.8生徒が自らテーマを設定し、調べたり解決に向けて取り組む探究学習が重視される24.936.818.75.27.76.834.527.719.67.39.31.762.261.726.823.9先生が知識を教え込む授業から、生徒が主体的に考え、学び合う授業に変わる19.136.824.86.26.86.333.529.418.07.310.51.362.855.925.331.0生徒自身が基礎学力の定着を把握し、今後の学習活動につなげる「高校生のための学びの基礎診断」が始まる21.433.718.15.113.97.733.527.715.76.214.92.061.255.221.923.2学んだことや経験したことを振り返り、次の目標を立てる「ポートフォリオ」が導入される21.435.417.94.613.76.932.125.216.78.415.91.657.456.825.122.6期待できる不安はあるが期待が大きい期待はあるが不安が大きい不安であるわからない無回答期待・計不安・計期待・計不安・計(%)保護者保護者保護者保護者保護者高校生高校生高校生高校生高校生【高校の教育】に関する教育改革への期待と不安 (高校生・保護者/各単一回答)図2ICTによる個別最適化学習に高校生の7割が期待※高校生「期待・計」の降順ソート    ※「期待・計」と「不安・計」の差が4ポイント以上高い数値を■で表示70.262.862.261.257.454.855.961.755.256.8高校教育改革への期待と実感ICT、アクティブ・ラーニング、探究…大きな期待が寄せられる高校教育改革462020 FEB. Vol.431

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