キャリアガイダンスVol.433
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 3月の休校以降、子どもたちや保護者のみならず、先生方も大変な苦労をされてきたと思います。誰も見通しを示せないなか、せっかく組み直したカリキュラムは休校延長で白紙になり、できることから始めようとLINEやZoom等で生徒とつながろうにも、セキュリティなどの問題を指摘された途端、ご破算に。そうしたなか、手づくりで授業の配信にこぎつけた学校も、消費者意識の強い保護者の目にさらされ「毎日が授業参観」のようなプレッシャーを受けてしまうことも。 コロナ以前からあった、学校を縛る鎖が、ますます現場を委縮させ、硬直化させてしまっているとしたら、とても残念です。しかも、そうした現場の苦労は外部には見えづらく、不安や不信の連鎖のなかで「学校の授業なんて」と思われかねないことに、私は強い危機感を覚えました。 授業のオンライン化の流れは逆に、「つながりの中で学びを実現する」という、これまで日本の学校教育が大切休校、分散登校、ソーシャルディスタンスの確保という困難な状況が続くなか、生徒の学びを止めないために、「授業」「地域連携」「探究」は、どのように取り組み、先生方の関わりはどうすればいいのでしょうか。それぞれの領域の専門家に、今後への影響や可能性について伺いました。授業のオンライン化は、これまでの授業を再認識し、問い直すきっかけに。つながりの中で学ぶことこそ、学校の教育の本質ではなかったかオンライン化で見えてきた授業で大切にしてきたこと授業・生徒との関わり石井英真(京都大学大学院教育学研究科 准教授)取材・文/堀水潤一 撮影/マツダナオキ授業、探究、地域連携…学びを進化させる―今できること、今だからこそ考えたいこと生徒たちは何を思い、教師はどう動いた? そして、見えてきたもの授業、探究、地域連携… 学びを進化させる212020 JUL. Vol.433

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