キャリアガイダンスVol.433
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生徒一人一人が力強く歩んでいけるよう全国の先生方と連携して生徒を支援していきたい広島県立因島高校 校長 倉田雄司特別寄稿1 2月28日に文部科学省から学校の一斉臨時休業が要請されて以降、全国で長期にわたって臨時休業の措置がとられました。何かしないことには生徒の学びが止まってしまう。そんな危機感を全国すべての教職員が抱くことになりました。私自身は1年ぶりの学校現場であり、生徒たちは学校生活で力を発揮できない悔しさや先行きへの不安感をどれだけ抱えていることだろうと思いつつ、答えが定まらない難題と日々格闘する毎日でした。 幸い、広島県の県立学校では、4月に入ってすぐ全教員にG Suite for Educationのアカウントが配布され、生徒用アカウントも整備できたため、臨時休業中も生徒の健康状態などの状況把握、自宅学習の支援を行うことができました。まさに、時宜を得た取組がなされたと感じています。教員のICTの活用スキルや意欲は様々ですが、学校に来ることができない生徒を前にして、生徒の学びを止めないために、教員としてこれを活用しないという選択肢はなく、好むと好まざるとに関係なく、教員の背中を強く押す施策が展開されたのです。 本校はICTの活用が決して進んでいる学校ではありません。それでも、G Suiteの活用により、指導の幅が広がりました。ほとんどの開設科目で、G Suite中にファイル共有機能(Classroom)を立ち上げ、各授業担当教員が課題を適宜指示し、提出された生徒の課題を添削して送信したり、5分程度の授業動画(基本事項の解説など)を作成し、配信したりを実施。また、ホームルーム担任は、アンケート機能(フォーム)を用いて生徒の毎日の健康状態を把握するとともに、ホームルームのClassroomを使って次のような指導を行ってきました。①SHR…朝夕の決まった時間に実施。また、3年生には学習環境づくり(例/食事、運動、睡眠など)、進路情報など、受験生としての自覚につながる内容を発信。②入試情報の発信…4月当初の面談時に把握した生徒の志望校をもとに、志望校の情報を定期的にアップ。大学入学共通テストの情報なども配信。③質問BOXの開設…オンラインで生徒個々の質問に対応。④各教科・科目の学習状況の把握…ホームルーム担任が、クラスの生徒が履修している各科目のClassroomのメンバーに入っ「学びを止めない」との思いに背中を押され緊急事態における実践から見えてきた、これからの学校、授業、教師の姿とは…? 生徒の学びを学校内外で支え続けている、3人の方にご寄稿いただきました。今、この時の学びを未来につなぐ282020 JUL. Vol.433

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