キャリアガイダンスVol.440
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【学長プロフィール】まえだ・ゆたか●1956年生まれ。大阪府立大学工学部卒業。同大学院工学研究科電子工学専攻修士課程修了。工学博士。大阪府立高校教諭、関西大学工学部教授などを経て、2007年システム理工学部教授。システム理工学部長、理工学研究科長、副学長、国際部長などを経て、20年10月より現職。学校法人関西大学理事。【大学プロフィール】1886年関西法律学校開校。1922年大学(旧制)昇格。法学部、文学部、経済学部、商学部、社会学部、政策創造学部、外国語学部、人間健康学部、総合情報学部、社会安全学部、システム理工学部、環境都市工学部、化学生命工学部に加え、大学院、法科大学院、会計専門職大学院を擁する関西圏屈指の総合大学。千里山キャンパス(大阪府吹田市)ほか。若者の「学びたい」という強い意志を受け止め、後押しする大学に̶変革に挑む̶まとめ/堀水潤一 撮影/景山幸一本学は2022年に大学昇格100周年を迎えます。それは同時に、中興の祖である山岡順太郎先生が提唱した学是「学の実じつげ化」の100周年でもあります。学理と実際の調和、あるいは教育・研究と実社会との相互作用を意味するこの言葉通り、本学は実験や実習・演習を重視。インターンシップやボランティア、留学なども奨励してきました。今後も正課と課外の間の準正課という位置づけで体験型プログラムを取り入れるほか、専門をその後のキャリアに活かす丁寧なキャリア支援を通じて「学の実化」を目指します。 本学の学生のイメージとしてよく実行力があがりますが、他者を受け止める寛容さもあると感じています。こ化事業」に採択されました。その後、協議会を発足させるなど国内の大学にも普及。国内版COILや関西大学グローバルスマートキャンパス構想など新たな展開を進めているところです。 入学者選抜においても挑戦を続けています。例えば化学生命工学部では「メディカルポリマーを勉強したい」といった明確な意志をもつ高校生を対象とした総合型選抜(旧AO入試)を実施しています。システム理工学部も同様に、データサイエンスに特化した選抜を始めました。労力はかかりますが、高校生の「これを学びたい」という想いを受け止めたい。こうした特定の学問内容に対する強い想いを駆動力とする選抜が全学に波及することで、他の学生にもいい影響を与えるでしょう。強い意志をもって入学した学生はモチベーションが違います。例えば外国語学部の学生は、2年次の留学が必須というハードルを承知で入学したわけです。ところがコロナ禍でそれが難しく、フォローアッププログラムで対応している現実があるのですが、それでもかなりの学生が外国に飛びたっている。十分な対策を講じてのこととはいえ、驚くべきことです。そうした強い意志をもった若者を後押しする大学であり続けたいと強く思います。れは多文化共生社会において大切な資質。異なる考えを受け止め、しかしそこに埋没することなく、自分の意志も打ち出しながら、より良い社会を築いていく。幸い本学には年齢性別国籍を問わず多様な方が学んでいます。教職員構成を含め、社会の縮図のようなキャンパスに近づけていきたいです。 さらに国際化の一環として注目いただきたいのが関西大学版COIL(Collaborative Online International Learning)の取組です。これは、外国の大学の教室をオンラインでつなぎ、それぞれの学生が協働学習を行うPBL型の授業のこと。14年にニューヨーク州立大学などと先駆的に始め、18年には文部科学省「大学の世界展開力強592021 DEC. Vol.440

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