カレッジマネジメント190号
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41リクルート カレッジマネジメント190 / Jan. - Feb. 2015経験を社会に還元できる人材の育成を目指してスタートしました。学生の具体的なキャリアプランとしては、大学4年間を徹底してスポーツに打ち込み、そのうえで教育学も十分に学び、卒業後に教員になるという道筋が典型的なものです。教員として現在の過酷な教育現場に入っていくにも、スポーツで培われる根性や努力する姿勢、チームワークといった要素は本人にとって大きな支えとなるだろうと考えています。そのような大方針のなか、大学として、まずはとことんスポーツに注力する戦略を立てました。最初にお声がけしたのはオリンピック金メダリストの柔道家、古賀稔彦氏。立派な道場を建てることを条件に指導者としてお招きしました。それがスポーツ界にインパクトを与えたようで、その後続々とハンドボールや野球、陸上競技など各種目トップクラスの指導者が集まりました。本人だけでなく部員集めも同時にしてくださり、本学一期生の顔ぶれは彼らの努力の賜物といえるものとなりました。今も全国に広がる本学の学生募集ネットワークは、その時に構築されたといっても過言ではありません。安藤忠雄氏設計のアスリートホール「TOPGUN」など世界基準のスポーツ施設を完備し、こうした環境から日本代表として世界大会へ出場するまでになった選手が既に40人を超えました。本学のスポーツ分野は、社会的に十分認知されるようになったのではないかと思っています。次なる目標は、教育分野の充実。そのために「教職支援室」という組織があり、教育実習や保育実習をきめ細かく実践するとともに、教員採用試験で高い合格実績を挙げるべく1年次から4年次まで多彩な試験対策講座を開講しています。本学として一番アピールしたいポイントは、学生を4年間で大きく成長させる力。「4年後に責任を持つ大学」というキャッチフレーズも掲げ、今年度よりメンター制度や初年次教育を本格的にスタートさせました。開学からここまでは比較的順調に来ましたが、これからの厳しい経営環境を生き抜いていくには、本学のアピールポイントを社会にしっかりと認識してもらうため一層の努力が必要だと考えています。経営関連の新学部を構想中新しい大学で、環境整備はまだ十分とは言いがたく、それを行き届かせることも当面の課題と考えています。「これぞ大学だ」と学生から仰ぎ見られるような校舎や施設を引き続き造っていきたいのです。昨年11月、最新設備を備えた新たな体育館を竣工しました。これは創設4年で全国大会5位(大学では最上位)へと登りつめたマーチングバンド部などに対する大学からのご褒美であり、今後への期待をこめた贈物ですが、これを見た学生や教員が「もっと頑張ろう!」と思って頑張ってくれれば、こちらはもっと良い環境を用意したくなるでしょう。そのようにある意味で学生と大学が刺激し合い、励まし合って大学全体として高みを目指していくこともまた大学経営の大いなる醍醐味と思っています。来年頃には“水上建築”のようなイメージの新校舎建設を計画しています。そこに第3の学部を想定しており、現在、経営関連の新学部を構想中です。大学でスポーツに打ち込んだ学生が将来的にビジネスの世界に入り、営業職や企画職として活躍できるよう、現場で即実践できるスキルを現場の第一線の先生方から学べるような学部を目指したいと考えています。学校法人としては、第3ステージを目指します。IPC、IPUに次ぐ第3のキャンパスを環太平洋地域に設置したい。「International Pacic University構想」という大きな夢をどこまでも追いかけていきます。

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