カレッジマネジメント190号
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世界への新しい道   プラスティック製のスティックとボールを使い、ゴールを目指すアイスホッケー型の室内球技が、「フロアボール」と呼ばれるニュースポーツだ。日本では1994年に発祥したスポーツであり、ヨーロッパではメジャーなスポーツで、将来のオリンピック種目採用も夢ではない。このスポーツに、より楽しみながら取り組み、さらに、世界を目指す選手を輩出しているのが、駿河台大学のユニバーサルホッケー部だ。現在24名の部員を率いるキャプテンの若松雅斗さんは、2014年6月にシンガポールで開催された「世界学生フロアボール選手権大会」の日本代表の男子キャプテンも務めた。「新しいスポーツなので、ほとんどの部員が大学から始めています。私自身も、もともとサッカーをやっていたのですが、初心者からでも始められ、かつ、世界大会にも出場可能な点に魅力を感じて入部を決めました」。若松さんは、入部動機をこう話してくれた。この部を指導する吉野監督は日本代表の監督でもある。そして毎週土曜日には、多くの卒業生の先輩が練習に参加し指導してくれるのだという。「卒業生と現役選手のつながりが強く、レベルアップのための技術が受け継がれていくことが部の伝統ですね」。そんな絆が生み出す力で、毎年12月に開催される学生選手権での男女ダブル優勝を目指している。 「フロアボールの魅力は、攻守にわたるスピード感にあります。キーパー以外のフィールドプレーヤーが、1〜2分ぐらいごとに入れ替わりながらゲームが展開され、プラスティック製のボールの動きも速いので、プレーはとてもスピーディーですし、このスピード感に負けない団結力を強化していきたいです」。そう語る若松さんは、日本代表のキャプテンとしての経験を大学のチームに持ち帰り、一緒に戦った他大学や海外の選手の素晴らしい点を駿大の部員たちに伝えている。「とても刺激になった日本代表での経験と感覚を、部員たちとも共有し、みんなのレベルアップにつながればと考えています。そして、将来的には、卒業後も部活に参加したいと思っています。帰って来られる場所があるのはうれしいことですね」。若松さんのように初心者から始めて、世界大会出場も可能なフロアボールというスポーツは、まさに「世界への新しい道」だ。若松さんは、これからも、世界へ飛び出していく後輩たちにエールを送り続けることだろう。    (写真・文/西山俊哉) 若松 雅斗 さん (メディア情報学部メディア情報学科4年) 学生のリーダー 駿河台大学 ユニバーサルホッケー部 当代 当代 Vol.52 キャプテン

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