カレッジマネジメント191号
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52リクルート カレッジマネジメント191 / Mar. - Apr. 2015スを訪れる。学生が企業と接する機会も自然に多くなる。「学生たちには、君たちが行けば、企業側は親戚の子が来たみたいに思ってくれるよって教え込む。僕が企業側にそう言ってあるからと。そうするとわりと気楽に会いに行ける。そのうちに、何の仕事がいいかなって考えるじゃないですか」。そのような就業観・職業観を養う場としてはもちろん、実際の就職先としても機能しており、現在、学生の約4割がアライアンス企業に就職しているという。全学的な取り組みとして千葉商大は「国際力教育」も掲げている。例えば、2011年度から、中国、韓国、インド、米国などから学生を招待する「CUCサマープログラム」を実施。参加大学とは相互に「学生の自己負担は原則として渡航費のみ」という同じ条件で学生を受け入れる協定を結んでおり、千葉商大の学生は、中国、韓国、インドなどの「交換サマープログラム」を体験している。島田学長がもう一つ挙げた取り組みは、アジア学生交流会議 Global Partnership of Asian Colleges(GPAC)だ。持ち回りの開催国にアジア各国の学生が集まり、1週間ほど合宿しながら英語でディスカッションする。「これは24年前、僕が慶應で始めたもの。慶應ではハーバードクラスの議論ができる。千葉商大でもやれるかと思ったけど、突っ込んで応援したら、やれるんだよね。チャンスを与え自信を与えれば、こんなにも伸びる。涙が出るほど嬉しいね」。また、加藤寛・前学長時代から12年間にわたり留学生を送りあうなどして深い信頼関係を築いてきた中国の上海立信会計学院とは、2014年度にダブル・ディグリーのプログラムをスタートさせている。メガトレンドを捉えた学部新設島田学長は就任以来、3つの新学部構想を手がけ、実現してきた。2009年度にサービス創造学部(吉田優治学部長)、2014年度に人間社会学部(朝比奈剛学部長)。そして2015年度には国際教養学部(宮崎緑学部長)が設立される予定だ。「世の中が変化していくメガトレンドを捉えて、その要請を先取りするコンテンツを持った学部を作る。学生が卒業する頃にちょうど『進んでいるね』という評価になる。そういうのが大学の役目だと思うわけです」。メガトレンドとは例えば「ものづくりの時代からサービス化の時代へ」。それを捉えたのがサービス創造学部だ。「日本は先進国の中ではサービス化がまだ遅れている。遅れているということは、伸びしろがあるっていうことなのですよね。しかしそのサービスを体系的に教える学部がないじゃないか、というのが学部設立の趣旨」。島田学長と吉田学部長は、新学部設立準備の過程で、経済学、マーケティング、組織管理などの専門家はいても、サービスを専門にしている教員・研究者はいない、という問題に行き当たる。「それで考えたのは、世の中の9割ぐらいのサービス関連企業では、目の前のお客さんの評価が全てであるわけでしょ。ならば学問にはなっていないとしても、現場の知識の蓄積がある。経験もね。そこに学ぼうと」。2014年度学内会社説明会参加企業数のべ約1000社!<CUC限定一次選考>実施企業数のべ約150社!全企業内定者のうちCUCアライアンス企業内定者約3人に1人!図表1 CUCアライアンス企業ネットワーク宿泊業/飲食サービス業52社生活関連サービス業/娯楽業22社建設業22社製造業62社電気・ガス・熱供給・水道業5社運輸業/郵便業20社情報通信業86社学術研究/専門・技術サービス業11社サービス業(ほかに分類されないもの)29社医療/福祉14社卸売業/小売業220社不動産業/物品賃貸業38社金融業/保険業29社教育/学習支援業5社CUCアライアンス企業約620社(2015年1月現在)漁業1社

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