カレマネ
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48差は拡大に転じていたが、2016年卒においては倍率差が縮小している。特に、300人未満の企業において倍率は、2015年卒4.52倍から2016年卒3.59倍と0.93ポイント低下しているのに対し、5000人以上の企業においては2015年卒0.55倍から2016年卒0.70倍と0.15ポイント上昇している。企業リクルート カレッジマネジメント193 / Jul. - Aug. 2015的なものとしたことが推察される。採用スケジュール変更が採用意欲に与える影響は軽微このようにみてくると、企業の採用意欲は鈍化傾向がみられるものの引き続き高い推移が続き、求人倍率も高い水準となっている。2016年卒の採用スケジュールは、政府の要請や経団連の倫理憲章により、広報開始が3月1日以降、選考活動は8月1日以降となり、学生の就職活動期間は短縮化した。このことにより企業にとっても採用時期が重なるため、求人数を増やすことが想定される。しかし、調査対象企業の回答傾向を見る限り、スケジュール変更が企業の採用意欲に与える影響は軽微に過ぎないといえる。ただし、このような採用スケジュールの変更は今年が初めてであり、何が起こるか分からないのが現状という声を聴く。そのため今後の就職動向については注意深く見ていく必要がある。従業員規模間のミスマッチは拡大視点を変えて、新卒採用について議論される従業員規模間のミスマッチについて触れたい。図表5の従業員規模別求人倍率を見ると、2015年卒において規模間の図表32015年卒の新卒採用における充足率(業種計:93.8%)図表4業種別 2015年卒の採用実績人数に対する2016年卒の求人数の増加率(業種計:+12.6%)(%) (%) 88.8 99.3 95.5 87.3 85.4 +6.8 +11.9 +11.2 +12.2 +17.6 0 20 40 60 80 100 サービス・ 情報業 金融業 流通業 製造業 建設業 0 5 10 15 20 サービス・ 情報業 金融業 流通業 製造業 建設業 図表5 従業員規模別 求人倍率の推移(倍) 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 2016年 3月卒 2015年 3月卒 2014年 3月卒 2013年 3月卒 2012年 3月卒 2011年 3月卒 2010年 3月卒 8.43 4.41 1.51 0.38 0.47 0.49 0.60 0.54 0.55 0.70 0.66 0.63 0.74 0.81 0.79 0.84 1.06 1.00 0.97 0.93 1.03 1.19 1.23 3.35 3.27 3.26 4.52 3.59 5000人以上 1000~4999人 300~999人 300人未満

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