カレッジマネジメント194号
59/86

59リクルート カレッジマネジメント194 / Sep. - Oct. 2015ロッパを中心に約700人います。189人のネイティブ教員もおり、本学キャンパスも国際交流の場となっています。先進的な教育プログラムこのような歴史と特長を有する本学だからこそ成し得る教育があります。例えば、米国ノーステキサス大学の協力のもと、2014年度にスタートした「早期留学直結プログラム」(対象は外国語学部英米語学科)。同大学から招いた5人の講師により、国際関係やビジネス、社会学といったコンテンツを英語で学びます。さらに、TOEFLⓇテストの得点も短期間に向上させます。そうすることで、海外大学での学士課程へ留学する場合、通常ならば2年半かける留学準備期間を、このプログラムは1年間に短縮。現在、プログラムの修了生70人が留学中ですが、これを受講したことによって、留学先での学習がスムーズにスタートできています。2011年度に新設した、「語学+α」を目指す「英語キャリア学部」も、本学ならではの学部といえるかもしれません。英語キャリア学部は、高度国際職業人というグローバル人材育成をストレートに目指した学部です。卒業に必要な単位の半分から3分の2をオールイングリッシュ授業で学び、同時に「グローバル・ビジネス」「国際教養」といった社会科学を広く学ぶ。日本語で考え発信する力と英語で考え発信する力、その双方を身につけていく英語と社会科学をクロスオーバーさせたオンリーワンなカリキュラムです。一期生は、うれしいことに、就職内定率が100%でした。中には、かなりトンガッた学生もいて、留学して、デュアル・ディグリー取得後に帰国しないで米国の会計監査法人に就職を決めた者や、豪州の旅行会社に就職した者もいます。まことに頼もしいかぎりです。英語キャリア学部には、少人数ですが、「小学校教員コース」も設けています。外国語大学として「日本初」とのことですが、もともと本学は、中学校英語教員の採用数で全国トップレベルにあり、それが評価されたかたちといえるでしょう。今後は、本学卒業生が小学校において、将来のグローバル人材の卵を育成してくれると確信しています。「学・食・住」でグローバル人材を育む新キャンパス本学は、創立70周年記念事業の一環として、2018年4月に御殿山キャンパス・グローバルタウン(仮称)を新設します。メインキャンパスである中宮キャンパスに近く、これによりキャンパスの一体化が実現します。御殿山キャンパスには、英語国際学部を学研都市キャンパスから移転させるとともに、ここに一大グローバルタウンを築く計画です。現在6棟ある留学生宿舎の大半を統合し、新キャンパスの国際交流セミナーハウス(仮称)に集約します。そこで留学生と日本人学生が生活を共にし、キャンパス内で「学・食・住」が完結するようなユニークな教育環境を整備します。当然ながら私も、「グローバル人材育成」をめぐる社会的要請の高まりをひしひしと感じる者でありますが、「語学力さえ身につけばいい」と考えたことはありません。外国語を学ぶことは言葉の障壁を下げることを意味します。重要なのは、異なる国や民族の歴史や文化、宗教、政治、経済といった人文社会科学の知識を吸収しながら、相手のそれに対する「寛容」さを身につけ、コミュニケーション、ネゴシエーション、ファシリテーションといった3つの能力を磨き上げていく。そのような力があってこそ、自分と相手との間に最善の解決策を見いだせるような人材になれるのではないでしょうか。それが即ち、社会の求める「グローバル人材」であると私は考えます。本学は、「不留」をモットーにしています。文字通り、留まらないこと、前に進み続けることが本学の精神。本学の様々な取り組みは、全て上記の能力をもったグローバル人材を育成することに結びついています。これからも、「不留」の精神で、社会で求められる人材を育んでいきたいと考えております。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です