カレッジマネジメント195号
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37リクルート カレッジマネジメント195 / Nov. - Dec. 2015枠組みを各大学が自ら選択し、文部科学省が支援を行うことになる。平成28年度の概算要求においては、86大学全てがいずれかの枠組みを選択し、その結果は図表4の通りとなった。重点支援①には、地方に所在する総合大学、単科大学を中心に最も多くの55大学が選択した。例えば熊本大学では、発生医学やエイズ学研究等の世界レベルの先端研究を先鋭化することで大学全体の機能強化を先導し、次世代を担う研究領域を育むとともに、人材育成のパラダイムシフトを敢行し、地域の問題をグローバルに考える人材育成を推進することを掲げ、これらの教育・研究成果を積極的に地域に還元することにより、これからの地域創生の中核となる“地域に根ざし、グローバルに展開する未来志向の研究拠点大学”を目指している。3つの戦略の一つ、「熊本大学の“特色”を生かした「くまもと」の4つの豊かさへの貢献」では、地域課題に対する最適な知的・人的資源の提供プロセスを決定するシステムを「くまもと地方産業創生センター」に構築し、経済、環境、文化、知識の4つの豊かさに貢献する取り組みを構想している。また、熊本大学で注目したいのは、評価指標の設定方法であり、例えば強み・特色のある研究分野では、世界のトップ大学の実績をベンチマークとして、第3期の到達目標を設定している等の工夫がされている。重点支援②は、特色のある専門系の大学を中心に15大学が選択をした。東京芸術大学は、我が国唯一の国立総合芸術大学の強み・特色を踏まえ、「世界」と「日本」の2つの視点を戦略実行に係る「ダブルスタンダード」として、「世界的」でもあり「全国的」でもあるオンリーワンの教育研究を推進すべく、3つの戦略を掲げる。ロンドン芸術大学、パリ国立高等音楽院等と連携した国際共同カリキュラムの構築や飛び入学を起点とした早期教育プログラムの導入等を通じた世界トップアーティストの戦略的育成、国内全域の芸術文化潜在力を生かした全国的な活動の展開、国際プレゼンス向上や教育研究成果を国際芸術市場に戦略的にプロモートするシステムの構築等に取り組むこととしている。重点支援③は、研究力に実績のある大学を中心に16大学が選択をした。九州大学では、全ての分野で世界ラン北海道教育大学室蘭工業大学小樽商科大学帯広畜産大学旭川医科大学北見工業大学弘前大学岩手大学宮城教育大学秋田大学山形大学福島大学茨城大学宇都宮大学群馬大学埼玉大学横浜国立大学新潟大学長岡技術科学大学上越教育大学富山大学福井大学山梨大学信州大学岐阜大学静岡大学浜松医科大学愛知教育大学名古屋工業大学豊橋技術科学大学三重大学滋賀大学滋賀医科大学京都教育大学京都工芸繊維大学大阪教育大学兵庫教育大学奈良教育大学和歌山大学鳥取大学島根大学山口大学徳島大学鳴門教育大学香川大学愛媛大学高知大学福岡教育大学佐賀大学長崎大学熊本大学大分大学宮崎大学鹿児島大学琉球大学  55大学筑波技術大学東京医科歯科大学東京外国語大学東京学芸大学東京芸術大学東京海洋大学お茶の水女子大学電気通信大学奈良女子大学九州工業大学鹿屋体育大学政策研究大学院大学総合研究大学院大学北陸先端科学技術大学院大学奈良先端科学技術大学院大学          15大学北海道大学東北大学筑波大学千葉大学東京大学東京農工大学東京工業大学一橋大学金沢大学名古屋大学京都大学大阪大学神戸大学岡山大学広島大学九州大学  16大学主として、専門分野の特性に配慮しつつ、強み・特色のある分野で地域というより世界・全国的な教育研究を推進する取組を中核とする国立大学を支援主として、卓越した成果を創出している海外大学と伍して、全学的に卓越した教育研究、社会実装を推進する取組を中核とする国立大学を支援主として、地域に貢献する取組とともに、専門分野の特性に配慮しつつ、強み・特色のある分野で世界・全国的な教育研究を推進する取組を中核とする国立大学を支援重点支援①重点支援②重点支援③図表4 平成28年度国立大学法人運営費交付金における3つの重点支援枠について

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