カレッジマネジメント196号
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リクルート カレッジマネジメント196 / Jan. - Feb. 2016「アビームのコンサルタントはプロフェッショナルとして、クライアント企業の変革の構想策定から実現までを支援する。クライアントのリアルパートナーとして、コンサルティングサービスを担える人材がターゲット」と語る。今年度の採用数は130人強。選考プロセスはエントリーシートと適性検査による事前審査と複数回の面接を経て合否を決定する。エントリーシートでは「自分で考え行動し、結果(成果)を残した最も大きな経験は何か、苦労や困難を乗り越えた経験は何か」を書かせる。適性検査では構造理解や計数処理などコンサルタントとしての基礎的能力を見ている。面接ではエントリーシートの記載内容を深掘りする応答を通じて「面接官の意図を汲みとり論理的な回答ができるか」「チームワークを重視し、周囲を巻き込んだリーダーシップが取れるのか」などを重視している。単に勉強ができるだけの人はいらない。「事前に周到に準備していても、コンサルティングの現場では新たな課題に遭遇する。課題解決にむけて、誠実に取り組み、クライアントの期待以上の成果を上げることがコンサルタントの使命。サービス業であるコンサルタントに求められる究極の人材要件は、クライアント、同僚、上司等、仕事をする上で関わりを持つ全ての人からリスペクトされる人材であることである。そのために自分を常に磨き続け、チャレンジを繰り返しながら自分を高めていく努力を惜しまない人、失敗しても、立ち上がって仕事に向き合える人かどうかを見ている」(林崎執行役員)。面接では評価シートを用意し、論理的思考力やチームの一員として成果を出せるのかといった指標ごとに評価をつける。判定は「評価点数の達成度で決めてはいない。例えばある項目では現時点では基準に達しないが、別の項目では評価できる人材であれば、次の面接に進めることは可能。面接官の裁量に任せている」(林崎執行役員)という。同様に面接重視で学習成果を見ているのがセブン-イレブン・ジャパンだ。ターゲット人材は、フランチャイズの加盟店に対して経営コンサルティングを行う「店舗経営相談員(OFC/オペレーション・フィールド・カウンセラー)」候補である。店舗経営相談員は一人が7〜8店舗を担当し、加盟店のオーナーのカウンセリングや店舗に対する多角的なアドバイスを行う職種だ。人事部採用担当の森 信樹アシスタント総括マネジャーは「店舗経営相談員は加盟店オーナーさんの立場に立ってアドバイスを行う、当社の経営の根幹をなす仕事。ヒューマンビジネスが主体であり、選考ではコミュニケーションが円滑にとれるのか、相手の立場に立って物事を考えることができるかの2点を重視している」と語る。同社においては昨年、選考前に実際の業務を知ってもらう「OFC(店舗経営相談員)体感セミナー」を全国で実施した。仕事に対する理解を深めることで学生と会社のマッチング度合いを高めるのを目的とし、志望者6000人が受講した。選考プロセスは毎年変更している中で、昨年の面接回数は4回。エントリーシートと適性検査を経て面接に進むが、昨年は初回の面接から最後の面接まで一対一で個別に向き合う形式で実施した。「コミュニケーション力と相手の立場に立つ姿勢を基軸に面接するが、学生の具体的な経験や自分なりの軸についてより深く語ってもらい、論理的に話ができるのか、本人の人となりを見極めている。面接官も学生と真摯に向き合い、店舗経営相談員での体験談や苦労話等をしながら具体的な仕事のイメージを理解してもらうようにしている。学生も複数回の面接で色々な話を聞くことで店舗経営相談員の仕事に対する理解も深まってくる。選考というよりは入社前研修に近い姿勢で接している」(森アシスタント総括マネジャー)。森 信樹 セブン-イレブン・ジャパン アシスタント総括マネジャー林崎 斉 アビームコンサルティング人事グループ統括執行役員

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