カレッジマネジメント197号
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18リクルート カレッジマネジメント197 / Mar. - Apr. 2016アンケートでは、学生に対する課題感として、「定員の確保」「学生の学力」「学生の意欲」の3つをどのように評価をしているのかを尋ねている。全体では63.4%の大学が「定員の確保」に、85.0%の大学が「学生の学力」に、70.8%の大学が「学生の意欲」に課題を感じている。ここでは、この3つの課題感を組み合わせて、5つの類型を作った(図1)。まずは「定員の確保」の課題感によって、「大きな課題」の場合(A)、「ある程度課題」の場合(B)に分けた。「定員の確保」が課題でない大学については、「学力と意欲のみが課題」である場合(C)、「学力のみが課題」である場合(D)、どのような大学が多面的な入試改革を導入するのか両角 亜希子 東京大学大学院 教育学研究科 准教授ここでは、本誌が2013年8・9月に行った「入試制度に関する学長調査」(調査対象:全国の大学745校、回答数:452校、有効回答率:60.7%:本誌184号掲載)を用いて、現在、どのような大学がどのような課題感を持っており、今後、どのように入試を工夫しようとしているのかを明らかにする。今回特に焦点を当てるのは、以下に示した6つの問いである。順に検討していこう。① 学生に対する課題感によって、大学をどのようにパターン化できるか② 学生に対する課題感は、大学の属性によってどのように異なるのか③ 学生に対する課題感は、現在の入試方策の違いにどのように影響をしているのか④ 学生に対する課題感は、今後の入試方策の違いにどのように影響をしていくのか⑤ 入試結果分析の充実度は、今後の入試方策の違いに影響を与えているのか⑥ 行いたい入試改革の内容によって、学内組織の課題はどのように異なっているのか図1 課題感の5類型E課題なし 10.7 D学力のみ課題 7.6 C学力と意欲が課題 17.4 B定員確保 ある程度課題 30.4 A定員確保 大きな課題 33.9 (%) 課題 ①学生に対する課題感の類型化入試制度に関する学長調査(2013年実施)調査分析報告

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