カレッジマネジメント198号
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53アデザインB」、そして3年次で春学期に「C」、秋学期に「D」というカリキュラムになる。1年次の学びを2年次でさらに深め、自分の将来像を明確にして就職活動に臨むという流れを一貫させる意図だ。「もちろんそこにはアクティブラーニング、グループディスカッション等が入り、新しい教授法・授業法を駆使しながら、学生たちが少しずつ自分の将来像を固めていくプロセスが踏めるようにしました」(三谷学長)。掛川キャリア開発センター長は、それぞれの内容と狙いをこのように説明する。「1年次の『キャリアデザインA』は、大学の日々の学びが将来につながるということを意識付けるのが目的で、この点は従来の『自己実現とキャリアデザイン』と大きく変わるものではありません。もっぱら、大学での『学び』というところに立ち戻って授業が構成されます。2年次の『B』になると、少し『社会』を意識しながら、さらに具体的に将来像を考える。例えば、新聞を活用するなど、社会との接点を意識しながら授業を運営する。それによって3年次の『就職』に意識をつなげていきます」このような新カリキュラムを始めたが、体制の特別な見直しは考えていないと三谷学長は言う。「むしろ、われわれが見直そうとしているのは、アドミッションポリシー、カリキュラムポリシー、そして職業とも関連してくるディプロマポリシー。各学群で、どういう学生を受け入れ、育て、世の中に送るかといカデミックアドバイザーがついている。履修計画などを指導する学群の教員で、いわば担任だ。「教員、すなわちアカデミックアドバイザーは、就職をするのであれば、まずキャリアアドバイザーに相談しに行けと、非常に強く推しています。キャリアアドバイザーは、どの業種がいいとか悪いとかではなくて、まず、社会で主体的に働くとはどういうことなのか、世の中では具体的にどんなことを求めているのか、そういうことを学生たちに伝えながら、相談を始めます。教員たちが社会はこうだよと言うより、それぞれの分野の企業で働いてきた方々から学ぶということですね」(三谷学長)「昨年の9月から、キャリアアドバイザーの担当制を学群別に切り替えました。学群とCADACとの結びつきは今まで、それぞれがそれぞれの領域で頑張る、ということだったのですが、これをきっかけに、アカデミックアドバイザーとキャリアアドバイザーうことを、きちんと考えましょうと」。明確化されたポリシーと直結する指導がされるなら、教員に『就職率を上げる指導をしろ』という類の号令をかける必要はないわけだ。経験豊富なキャリアアドバイザーがサポートとは言え、桜美林大学の就職率は決して悪くない。これは2002年度にスタートしたキャリア開発センター(CADAC:キャダック)の役割が大きいという。2006年度にキャリアアドバイザー制度を導入、2009年度には、それまで外部委託だったアドバイザーを専任職員として、現在は16人がCADACに常駐している。60歳ぐらいで企業を退職し、5年ほどの専任契約を結んでいるケースが多いという。特徴的なのは、3年次の秋学期から、1学生に対して必ず1名のキャリアアドバイザーがつくことだ。もともと桜美林大学では、1学生に対して1名のアリクルート カレッジマネジメント198 / May - Jun. 2016年度1年次2年次3年次春学期秋学期春学期秋学期春学期秋学期2000「キャリア開発」開講(全学選択科目)2003「キャリア開発」開講(全学必修科目)2006キャリアデザインⅠ開講キャリアデザインⅡ開講2007「自己実現とキャリアデザイン」開講「キャリア開発」は閉講200920161年次から3年次までの一貫したキャリア教育を実現キャリアデザインAキャリアデザインBキャリアデザインCキャリアデザインD大学生活、大学での学びに適応、基礎学力の補強大学の学びと社会との関連性を考え仕事への意識づけじっくりと自分の進路を考える就職活動に向けた準備と実践キャリア開発センター卒業後の未来を信じて安心して学べる環境作り(2017年度より開講)キャリアアドバイザー制度(16名体制に)キャリアアドバイザー制度導入

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