カレッジマネジメント199号
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36リクルート カレッジマネジメント199 / Jul. - Aug. 2016の補助等も行うという手厚さだ。一方入学後選抜では、うれしい誤算があった。プログラムは水曜日の夜と土曜日に集中的に実施されるため、学生の負担感から、入学前から希望するような意欲の高い学生でなければ応募してこないのではとの当初の見立てがあった。しかしそれは見事に外れ、簡単な告知しかしていなかったにも拘わらず、120名もの応募があったのだ。学力テストとグループ面接で選抜を行い、意欲のある学生が選ばれた。「地元で活躍したいと考える学生がいかに多いのか、そのためのスキルとナレッジを学ぶ機会を得たいという声の多さに、プログラムの正当性を改めて確信した」と幸田学長は話す。特別プログラム以外にも、ゼミ単位での地域交流は活発だ。例えば経営学科の堤ゼミでは、「サイバー防犯パトロール」を行っている。インターネット上の有害情報等を検知し、県警と連携して地域の安全を守るというものだ(図表3)。地域の安全を守る立場から、小中学校での講話活動も行っている。また、同ゼミは地域のお年寄りに対して「シニアのためのスマホ講座」も行っており、「孫くらいの年齢の学生に教えてもらえるのが、一番喜ばれます」と、担当の堤豊副学長は話す。ほかにも地元企業と組んでの商品開発、天草の観光ルート開発等、地元を活性化するための取り組みは多い。今後力を入れたいのは「外国語ボランティアを組織化すること」だという。訪日観光客の増加を踏まえ、国際観光コンベンション協会と連携し、語学に長けた英米学科・東アジア学科の学生を中心に、学外での観光案内ボランティアをしてもらおうというものだ。「結びつくのはゼミ単位だが、それを支援する仕組みを意識的に作っていくことで、具体的な技術を持たない文系大学であっても、地域連携を深化させていくことはできる」と幸田学長は話す。多様な学科を持つ大学の宿命として、多様な価値観や方向性が内在するなかで、顕在化し図表2 地域中核人材育成プログラム 入学から卒業まで図表3 サイバー防犯ボランティアの仕組みサイバー防犯ボランティア警察管理者通報窓口企業地方自治体NPO所属学科での授業地域中核基礎科目地域中核スキルアップ科目地域連携科目独自の就活サポート地域中核リーダーとして左記以外の入試地域中核人材育成プログラム特別入試入学前育成プログラム基礎科目1年次発展科目2年次応用科目3年次卒論・就活4年次通報削除依頼通報

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