カレッジマネジメント199号
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40リクルート カレッジマネジメント199 / Jul. - Aug. 2016して、地域の人材育成の場である、「庄内地域カレッジ」を2014年度より開いてきた。中学生向けには、地域課題の理解を深める授業の開発、実施を行った。高校生向けには、「庄内の達人プロジェクト」と銘打った、庄内にて活躍している人の話を高校生が聞き、書き残す取り組みも行っている。大学生以外の若者を巻き込む手立てとして、「庄内の達人プロジェクト」を支える実行委員会を組織し、そこに地域の若者に参画してもらっている。これらの取り組みを通じて増えた地域との「つながり」は、今後公益大生が地域で活動する時にも生きてくることだろう。大学から地域に出て行くだけではない。キャンパス内にコワーキングスペースを設け、学生、企業、地域の方が交流できる場を作った。言ってみれば、地域の人を大学に引き込むための仕掛けも行っている。また、公益大生が地域で活躍した例として、酒田おもてなし隊の取り組みはぜひ見ておかなければならない。「山形デスティネーションキャンペーン」に端を発する酒田おもてなし隊は様々なプロジェクトに取り組んできた。酒田駅に降り立った観光客を歓迎する活動(「酒田駅おもてなしプロジェクト」)や、地域住民の方にインタビューして庄内を紹介するメッセージを発信する活動(「庄内スマイルプロジェクト」)、庄内の各駅からのハイキングコースを作成、紹介するという活動(「駅からハイキング」)など、庄内の魅力を増し、かつ届ける取り組みを行ってきている。これらの活動の実績から、後に酒田おもてなし隊はJR東日本から感謝状を得ている。酒田おもてなし隊に関して目を見張るのは、これは授業ではなく、学生の自発的な取り組みだということだ。したがって、上に紹介した活動の内容も、学生が自ら考え、実施にこぎ着けている。これらの活動の詳細は動画※1や活動記録集※2にぜひ実際に当たっていただきたい。吉村学長は「このおもてなし隊の活動に引かれて入ってきた学生もいる」と教えてくれた。これらの活動が地域に与えたインパクトの大きさが推して知れることだろう。地域に根ざしていこうという教育の手応えは、既に表れてきている。授業アンケートで尋ねている、地域への関心や理解、地域課題への理解や取り組み、課題解決に役立つ知識・理解・能力の高まりに関する項目は軒並み数値が向上している(例えば、能力が身についたとの回答は、2014年度の62.8%から2015年度は69.7%へ上昇)。数値だけでなく、学生の責任感や意欲の高まりは教員にも実感されつつある。「地域の方と関わる機会が増えてきたわけですよね。何か課題をやるときも『大学外の方もいるので来週までに企画書を作ってきてくださいね』と言えば、しっかり取り組んできますし、自分から意欲的に取り組む学生は増えてきています。刺激を与えて課題に取り組ませると、しっかりできるようになっていきます」と手応えを地域に出て本物に触れることで成長を得る※1 https://www.youtube.com/watch?v=7y8sZItG_B0※2 http://coc.koeki-u.ac.jp/archives/167305010015020025030005001000150020002500300035004000入学者数庄内地域高校3年生の数(人)(人)3635370035763538352834113424318930563096301529362953281827572710県外県内(庄内除)庄内庄内地域高校3年生の数年度2001200220032004200520062007200820092010201120122013201420152016入学者数合計282252233222182198216199152210153138178161182201図表2 2001~2016年度 入学者状況

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