カレッジマネジメント201号
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28リクルート カレッジマネジメント201 / Nov. - Dec. 2016ポリシーの具現化つの第2特集29FD・SD・ODとしての3つのポリシー策定の意義 佐藤浩章 大阪大学 全学教育推進機構 教育学習支援部 准教授 32CASE1関西国際大学 コンピテンシーを重視した、2階建てから1階建てへの構造の見直し36CASE2愛媛大学 全学の教育改革推進の核となる3ポリシーの見直し40CASE3武蔵野大学 新ブランド策定を契機に3ポリシーの再構築と検証体制を整備CONTENTS2016年3月に文部科学省は、「卒業認定・学位授与の方針」(ディプロマ・ポリシー)、「教育課程編成・実施の方針」(カリキュラム・ポリシー)及び「入学者受入れの方針」(アドミッション・ポリシー)の策定及び運用に関するガイドラインを策定した。これに基づき、大学設置基準施行規則が改正され、2017年4月1日から施行される。これを受け、小誌2016年5月発行の198号に掲載した、中央教育審議会大学分科会委員の濱名篤関西国際大学学長の寄稿『三つのポリシー(AP・CP・DP)をどう実質化するか──ガイドライン策定を受けて』には、大きな反響を頂いた。しかし、その一方で、既に策定している3つのポリシーでは何がいけないのか。どのように見直して、一貫性のあるものに変えていくのか。学内において、どのような検討体制をとっていったらよいのか。このような質問を数多く頂いた。そこで、今回は3つのポリシーの策定について、大阪大学の佐藤浩章准教授に、具体的な策定方法と、策定にあたって陥りがちなポイントについて、ご執筆頂いた。また、既にいち早く3つのポリシーの見直しに着手した3つの大学の事例を取材した。事例校を探す際、ヒヤリングを進める中で、気づかされる部分もあった。まずは入試対策としてアドミッション・ポリシーだけを見直そうとしている大学、全て外注化して作成したという大学等の存在である。3つのポリシーは大学の根幹であり、これこそが内部質保証の起点である。これに基づいて、次期の認証評価で検証が行われることになっている。何より、もともと大学には建学の精神があり、教育理念があるはずである。文科省に言われたからではなく、まずどのような人物を社会に送り出したいのか、そのためにどのような教育カリキュラムが必要なのか、そしてそれを受ける学生にはどのような資質・能力を求め、それをどのように評価するのか。今回の設置基準改正は、そうしたことを改めて全学で議論する良い機会なのではないだろうか。(本誌編集長 小林 浩)

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