カレッジマネジメント201号
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63干増加しているが、生産年齢人口(15〜64歳)は8717万人から7708万人へ1009万人減少、逆に65歳以上は1826万人から3392万人へ1566万人増加している。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計(出生中位・死亡中位)によると、2015年から20年後の2035年の総人口は1499万人減の1億1212万人、生産年齢人口は1365万人減の6343万人となり、65歳以上は3741万人と3分の1を占めるようになる。過去の推移を辿ると、年少人口(14歳以下)は1981年の2760万人から、生産年齢人口は1995年の8726万人からほぼ一貫して減少を続けており、総人口も2011年以降マイナスが続いている。また、3大都市圏への人口集中は、高度経済成長期ほどの勢いはないものの、依然として続いており、2015年国勢調査では3大都市圏人口51.8%(内東京圏28.4%)に対して、地方圏人口48.2%となっている。拡大を続ける社会保障給付費と長期債務残高急速に進む少子高齢化に伴い、表1の通り、社会保障給付費も増え続け、1995年度からの20年間で1.8倍に増加している。2015年度(予算ベース)の116.8兆円の内訳は、年金56.2兆円、医療37.5兆円、福祉その他23.1兆円である。その費用は被保険者拠出34.8兆円、事業主拠出30.0兆円、国31.8兆円、地方12.8兆円、その他積立金の運用収入等により賄われている。費用増に歯止めがかからず、生産年齢人口が減少する中、社会保障制度の安定維持が極めて大きな課題となっている。財政面では、社会保障関係費の増加と景気低迷による税収減等を背景に大幅赤字が続き、2015年度末の国・地方を合わせた長期債務残高は1035兆円と、20年間で2.5倍にまで増加している。この水準は国内総生産(GDP)の2倍を超え、主要先進国の中で最悪の状況にある。1人当たり名目GDPは3位から20位へ次に、内閣府「国民経済計算」で20年間の推移を振り返ってみたい。表1に示した通り、我が国の名目GDPはこの20年間500兆円という水準に止まったままである。その結果、新興国を中心に世界経済が成長を続ける中、日本経済の占める割合は1995年の17.2%から2014年には5.8%まで、そのポジションを大きく低下させている。その一方で、1995年に日本の7分の1、世界に占める割合は2.3%に過ぎなかった中国は、2010年に日本を抜き去り、2014年時点では日本の2.2倍、世界に占める割合で13.1%にまで成長を遂げている。また、1人当たり名目GDPに関しても、OECD加盟国における順位を1995年の3位から2015年の20位へと大きく下げている。ちなみに国際通貨基金(IMF)の統計はOECD加盟国以外も含むため、2015年の日本の順位は26位となり、金額ベースではシンガポールの6割程度となっている。経済力は教育研究を発展させる基盤でもある。研究面でいえば、中国の論文数は、その経済成長と同様に右肩上がりで増加を続けており、全世界におけるシェアも高まりつつある。リクルート カレッジマネジメント201 / Nov. - Dec. 2016表1  統計データで見る20年間(1995年〜2015年)の変化注1:人口は各年10月1日時点  注2:※1は予算ベース  注3:※2は2014暦年ベース年度19952000200520102015出 典 18歳人口(万人) 177151137122120文科省資料 大学等進学率(%) 37.645.147.354.354.5「学校基本調査」文科省 学部入学者数(万人) 5760606262 同上 生産年齢人口(万人) 87178622840981037708「人口推計」総務省統計局 65歳以上人口(万人) 18262201256729253392 同上 社会保障給付費(兆円) 65.078.488.9105.4116.8※1「社会保障費用統計」厚労省 国・地方長期債務残高(兆円) 4106467588621,035 財務省資料 名目GDP(兆円) 505511505481501「国民経済計算」内閣府 世界における日本の割合(%) 17.214.29.78.45.8※2 同上 1人当たり名目GDPの順位 3位 4位 16位 14位 20位※2 同上(OECD内順位) 雇用者報酬(兆円) 270269254244257「国民経済計算」内閣府 第3次産業就業者比率(%) 61.464.268.671.172.3「労働力調査」総務省 非正規雇用の割合(%) 20.926.032.434.437.5 同上 対外直接投資残高(10億ドル) 2592783888301259 JETRO資料 海外売上高比率(%) ー 28.635.146.058.3 同上 在留外国人(万人) 130159191209223「在留外国人統計」法務省

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