カレッジマネジメント202号
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30リクルート カレッジマネジメント202 / Jan. - Feb. 2017いわき明星大学は、1987年に学校法人「明星学苑」がいわき市から誘致を受けて開学した大学です。開学当初は、理工系の4年制大学が欲しいとのことだったので、理工学部・人文学部の2学部でスタートしました。2001年に人文学部を改組し、心理学科を増設しました。心理学科は東北地方の私学では早い時期の設置だったこともあり、県外からも志願者を集めました。また、2007年には薬学部を設置しています。一方、製造業からサービス業へのシフト、産業構造が変化していくなかで、理工学部の志望者が減少していきました。一時は1学年300人在籍していたこともありましたが、2005年に科学技術学部へ改組、2010年には科学技術学科の1学科へダウンサイジングを図りました。地方都市で理工系を維持するのはなかなか難しいのが実情です。また、人文学部は心理学科で志願者を集めていたものの、学部全体は非実学系ということで厳しい状態が続いていました。大きかった東日本大震災の影響そのような状況のなか、2011年3月11日、東日本大震災が起こりました。ほぼ確定していた入学者のかなりの数が入学を辞退し、在学生からも退学者が出ました。震災の年も影響はありましたが、むしろ直撃を受けたのは翌年以降の募集です。2012年・2013年には受験生が激減してしまいました。風評被害が広がり、地元の高校生でも、ここにいては危ないし、就職もないかもしれないと、首都圏の大学を志望したようです。ちょうど首都圏の大学が、震災地の高校生に対して受験料や入学金免除などを行ったことも、大きく影響しました。こうして、科学技術学部は定員130名のところ入学者数が40名と、約3分の1に激減。人文学部は275名のところ150名に半減と、どちらの学部もこの状況が2年続きました。薬学部は前年比6割ぐらいの充足率でしたが、当時6年制の薬学部は人気があり、全国的にどこの大学も倍率が高かったので、本当なら定員が充足していたはずでした。このままではどうにもならないと、科学技術学部は2014年に募集停止しました。人文学部は存続させ、実やまざき・ようじ氏1947年生まれ1972年東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業1976年東京慈恵会医科大学大学院(医学研究科外科系第1外科学専攻博士課程)単位取得1978年筑波大学臨床医学系小児外科講師1993年東京慈恵会医科大学第1外科助教授1996年東京慈恵会医科大学外科学講座教授2007年いわき明星大学薬学部教授いわき明星大学薬学部副学部長2009年いわき明星大学薬学部学部長2014年いわき明星大学学長(至現在)学校法人明星学苑理事(至現在)2015年学校法人いわき明星大学理事(至現在)地域に根差した大学として、目に見える教育効果を実現するいわき明星大学 学長山崎 洋次

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