カレッジマネジメント203号
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25リクルート カレッジマネジメント203 / Mar. - Apr. 2017平成29年2月 中央教育審議会大学分科会○次の三つの視点から各高等教育機関の役割・機能の強化を中心とした高等教育改革の論点を整理。・「実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化」を見据えた高等教育機関の役割・機能の在り方に関する考察(短期的視点)・第3期教育振興基本計画の策定に向け、高等教育に関して検討を進める必要がある事項の整理(中期的視点)・平成32年頃までを念頭においた中央教育審議会「我が国の高等教育の将来像(答申)」に代わる高等教育の新たな将 来構想の策定に向け、検討することが必要な事項の整理(長期的視点)○次期中央教育審議会大学分科会(H29.2~)において、より具体的な検討。○高等教育を取り巻く社会環境は近年一層激しく変化。・人口の減少 ・大学等への進学率、学生数の変化、進学機会の格差 ・経済社会のグローバル化・産業構造の変化(第4次産業革命等) ・就業構造の変化 ・経済的格差の拡大、貧困問題の顕在化 ・地方創生の必要性の高まり ・世界的な学術研究の進展 等○こうした中で、高等教育においては、知識・技能を学んで修得する能力だけでなく、学んだ知識・技能を実践・応用する力、自ら問題の発見・解決に取り組み、多様な他者と共働しながら、新たなモノやサービスを生み出し、社会に新たな価値を創造する力を育成することが不可欠。○そのため、これからの時代における高等教育の使命の再定義も含め、人口減少時代における高等教育政策の在り方を総合的に検討することが必要。○今後の高等教育については、次の2つの方向での機能強化が必要。 ①新たな価値創出の基盤となる創造的な教育研究の高度化 ②社会の変化、地域や産業界の多様な要請を踏まえた実践的な教育の充実○その際、特に以下のような点に留意が必要。・進学率の上昇、中等教育との接続の改善・第4次産業革命等における成長分野の人材育成、社会人の学びに対する貢献の強化・機関間の連携強化による地域に必要な高等教育機会の確保(1)各学校種別の役割・機能の強化(2)各高等教育機関における職業教育の役割の強化と「実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関」○職業教育には多様な分野があり、専門性のレベルや卒業後に働く組織での役割の違いによっても必要とされる教育内容は異なる。大学、短大、高専、専門学校が、それぞれの特徴を活かして現在行っている職業教育は引き続き重要であり、その一層の充実を図る必要がある。○一方、今後の社会経済の変化の中で、新たな専門能力が求められる職種や新規開拓が必要な分野も生じており、「新たな機関」は、産業界との密接な連携により、このような分野の専門業務を牽引する人材育成を行おうとする場合に最も適した教育機関として、新たな選択肢を提供しようとするもの。○今後、各機関が適切に役割分担し、また相互に連携しつつ、それぞれの職業教育を発展させるべき。1.本論点整理の位置付け2.高等教育機関の役割・機能に係るこれまでの政策の動向3.高等教育を取り巻く状況の変化と今後特に重視すべき考え方の方向性4.各高等教育機関の役割・機能の強化に関し、早急に取り組むべき論点5.今後の高等教育改革全体の課題として中期的視点、長期的視点からより詳細に検討すべき論点今後の各高等教育機関の役割・機能の強化に関する論点整理(概要)【新たな高等教育機関関係部分抜粋】特集日本型職業教育の未来

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