カレッジマネジメント205号
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29リクルート カレッジマネジメント205 / Jul. - Aug. 2017宮崎大学地域資源創成学部(2016年)愛媛大学社会共創学部(2016年)徳島大学総合科学部(2016年)名古屋市立大学総合生命理学部(2018年)九州大学共創学部(2018年)国立公立新潟大学創生学部(2017年)長崎県立大学地域創造学部(2016年)野県短期大学が長野県立大学へ、それぞれ移行する申請を出した。18歳人口の減少や流入出の変動、社会情勢の変化等に伴う地域の状況や産業構造の変化は、地域に根差す大学の役割定義にも影響が大きい。高校生から見ると公立化による直接の恩恵は学費の引き下げであり、当然初年度の志願倍率は高くなる傾向がある。一方で、公立化が意味するものが学部学科の本来的な魅力向上でない場合は、相対的に他地域への流出を止めるほどのインパクトはない可能性もある。地域増認可申請(3月申請→6月認可、6月申請→8月認可)について、昨年合計9387名もの定員増加申請があったのは記憶に新しい。今年も3月末段階では48大学で増加申請があり、その人数は全国で5768名となった(通信制・編入学等の定員増減のを除く)。特に新増設学部学科設置の認可申請・届出をせず、既存学部学科のみで200名以上の増加を申請したのは、明治大学で1030名増、日本大学で472名増、同志社大学で326名増、福岡大学で310名増、立正大学で210名増。また、武蔵野大学では届出での改組2件のほか、既存学部学科での増員を含め、385名増の申請となっている。6月末の認可申請の動向はこの原稿執筆段階では読めないが、現在の段階的な定員厳格化の影響で、定員超過分の実定員化を目的とした定員増加の流れは、今年も継続しているものと思われる。見てきたように、近年の新増設トレンドは多岐にわたるが、総じてこれからの社会に対応できる人材育成を見据え、単一の学問に閉じず従来の枠組みを超えて複合化・多様化する傾向がある。こうした横断的な動きがある一方、専門人材のさらなるプロフェッショナル化の流れとして近年注目を集めてきた専門職大学制度も、いよいよ制度化の段階である。大学設置基準の改正を経て、通常の大学新設・学部設置認可と同じスケジュールであれば、今年10月末・来年3月末に初年度校が出揃うこととなる。様々な憶測が飛び交う中、果たしてどの分野でどの学校が名乗りを上げるのか、注目される。のシーズと高校生のニーズを捉えた本質的な改革を期待したい。学部学科設置については、国家戦略特区の愛媛県今治市で、国内52年ぶりの獣医学部が岡山理科大学に設置されるのが注目されるが、最も多いのは医療系12件であり、特に多いのは看護である。学科トレンド分析にあるようにマーケットは飽和状態にある看護領域も、新増設での状況に反映されるにはタイムラグがあり、設置数は未だ伸び続けている。また図表にはないが、年2回の定員図表10 「総合」「創」の名称が含まれている学部: 2016~2018年設置(国公立)特集 学部・学科トレンド2017

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