カレッジマネジメント205号
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法、商、経済、文、医、農、工、理など、大学の学部名称(学士の学位に付記する専攻分野名称の数)は、1991年までは29種類しかなかった。それが、設置基準の大綱化により、国際、環境、情報などを冠する名称の学部が新設され、多様化が進んだ。この背景には、社会環境の変化がある。既存の学問領域では対応できない社会課題に対し、新しい学際的な学問領域を創造することで、大学が教育・研究を行って課題解決のための人材育成を行うというものであったと思う。あれから20年以上が経ち、2014年日本学術会議「学士の学位に付記する専攻分野の名称の在り方について」の報告書を見ると、現在日本の大学の学部名称は700以上もあり、その6割はその大学独自の「唯一学部」とのことである。かなり多様化し過ぎていると感じるのは、私だけではないはずだ。では、その多様化した学部・学科の全体像はどうなっているだろうか。多様化した学部・学科の全体像を明らかにするために、小誌では、これまで2008年、2010年、2012年、2015年と4回の学部・学科のトレンドを分析してきた。前述したとおり、大学の学問領域は、社会環境の変化や社会課題と密接に関係している。これを単年度の志願者数で見るのではなく、中長期的な定員規模、募集状況のトレンドを見ることで、その背景や大きなマーケットのうねりというものを見ることができる。学部・学科のトレンド分析は、78の“単独分野”と、特集学部・学科トレンド2017リクルート カレッジマネジメント205 / Jul. - Aug. 20174

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