カレッジマネジメント206号
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39リクルート カレッジマネジメント206 / Sep. - Oct. 2017が、その数値としては、2009年に国公立志向が35.2%から43.4%と8.2%も増加。さらに景気の冷え込みがより強まった2011年には、国公立志向の比率が私立志向比率を上回るという現象を見せ、翌2012年も同様に国公立優勢の状況が続いた。景気が回復基調になった2013~2014年は再び私立志向が優勢になったものの、2015年からは隔年で私立志向と国公立志向が交互に振れている。さらに今年に関しては国公立志向が私立志向を上回っただけでなく、「国公立志向・計」が過去最高(47.4%)という、他エリアにはない現象が起きている。国公立及び私立志向は、景況感と密接に連動し影響を受ける。現状、景気回復基調ではあるものの、関西エリアにおいてはそれが全体的な傾向とはなっておらず、家庭によってはまだ景況の実感値にバラつきがある状況となっているのではないかと考えられる。加したものの、昨年から今年にかけては減少が続いている。これとは反対に、昨年から今年にかけて高まっているのが私立志向だ。リーマンショック後、私立志向は増加を続け、2010年にはピークの37.8%に達している。しかし、その後は減少し、「私立志向・計」が最も低くなったのが2012年(32.2%)だった。その後は再び増加したが、2015年には大きく減少。昨年以降は増加が続いていて、今年の結果では「私立の大学・短期大学にぜひ行きたい」という回答者の比率が過去最高の29.0%になっている。関西エリアは、進学ブランド力調査開始当初より関東と同様に国公立志向と比較して私立志向が強いという状況であった。リーマンショック後しばらくは、景況が陰りを見せてもなお変わらずに私立志向が国公立志向を上回る結果となってはいた(単位: %)国公立志向・計私立志向・計34.055.233.754.633.854.834.353.935.053.034.154.335.252.933.855.033.755.529.850.252.536.355.134.256.032.953.834.755.233.256.232.253.136.451.937.852.136.143.335.647.442.343.545.146.940.743.144.942.242.845.441.846.241.641.545.943.444.835.242.5進学希望分野(図表8-1〜8-3)減少していた社会科学系、特に「経済・経営・商」が増加。グローバル分野も増加。資格系が減少のエリアも。ている。関東と関西で「観光・コミュニケーションメディア」「国際関係・国際文化」といったグローバル関連の分野が2008年から総じて増加傾向となっている。資格系の分野では、関東と関西で「教育・保育」が減少傾向に転じ、東海・関西で「医療・保健・衛生」が減少。高校生の進学志望分野についても、各エリアにおける10年間の推移を見てみたい。全エリアで社会科学系が復活。関東は「法律・政治」「経済・経営・商」「社会」が2015年から増加。東海は「経済・経営・商」が2017年に急増。また分野トレンドに敏感といわれる関西は、関東エリアより1年早い2014年から「経済・経営・商」が増加し関西特集 進学ブランド力調査2017

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