カレッジマネジメント206号
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63リクルート カレッジマネジメント206 / Sep. - Oct. 2017業等での「臨地実務実習」が一定単位数(例えば、4年制で20単位)含まれるものとし、長期のインターンシップを必修化する。このほか、入学前の学修等に対する単位認定の制度を拡大し、実務の経験を通じた能力修得を授業科目の履修とみなして単位を与える仕組みを導入している。ⅱ)教員「専任教員数」については、大学・短大設置基準を踏まえつつ、さらに、小規模の学部・学科のための基準を新設している。具体的には、例えば、専門職大学の経済学関係の学部の場合、収容定員「400人〜800人」の場合に加え、既存の大学にはない「200人〜399人」の場合の基準を新設しているほか、専門職短期大学においては、入学定員が一定数に満たない小規模の学科の専任教員について、その必要数の2割までは兼任教員をもって代えることができるものとしている。また、実務家教員を積極的に登用するよう、必要専任教員数の4割以上は「専攻分野における概ね5年以上の実務の経験を有し、かつ、高度の実務の能力を有する者」とするとともに、当該必要専任実務家教員数の2分の1以上は、研究能力を併せ有する実務家教員としている。ここにおける「併せ有する研究能力」としては、①大学等での教員歴、②修士以上の学位、または③企業等での研究上の業績のいずれかを求めることとしている。なお、実務家教員については、企業等における最先端の実務に従事しつつ、専門職大学等の教育に当たる者を確保することも重要であり、必要専任実務家教員数の2分の1以内は、いわゆる「みなし専任教員」で足りることとしている。ⅲ)学生学生に関する規定としては、実務経験者など入学者の多様性の確保に配慮した入学者選抜を行うことを努力義務化するとともに、同時に授業を行う学生数については、原則40人以下とするものとする。ⅳ)施設設備関係施設設備に関しては、中教審答申を踏まえ、大学・短大設置基準の水準を踏まえつつ、機関の特性を踏まえた弾力的な対応が可能な基準を設定することとした。まず、「校地面積」については、既存の大学等と同様、収容定員上の学生1人当たり10㎡以上とすることを原則としつつ、一定の要件の下で、弾力的な取り扱いを可能としている。具体的には、その場所に立地することが特に必要であり、かつ、やむを得ない事由により所要の面積確保が困難な場合には、教育研究上支障のない限度において、必要校地面積を減ずることができることとする。運動場・体育館等については、体育館その他のスポーツ施設を原則設置するとともに、運動場をなるべく設置することとし、やむを得ない特別の事情があるときは、大学外の運動施設の使用による代替措置を可能としている。「校舎面積」については、大学・短大設置基準の水準を踏まえつつ、小規模の学部・学科のための基準を新設することとしており、専門職大学では、収容定員「200人まで」の場合に加え「100人まで」の場合の基準を、専門職短期大学では、収容定員「100人まで」の場合に加え「50人まで」の場合の基準を新設する。さらに、臨地実務実習が必修である等の機関の特性を考慮して、卒業に必要な臨地実務実習を実施するに当たり、実習に必要な施設の一部を企業等の施設の使用により確保する場合など、一定の要件の下に、必要校舎面積を減ずることを可能とした。校舎面積の減算に係る要件・手続きについては、大学設置認可申請に係る手続規則においても、所要の規定を整備する予定である。なお、改正学校教育法では「大学/短期大学のうち…専門が求められる職業を担うための実践的かつ応用的な能力を展開させる/育成することを目的とするものは、専門職大学/専門職短期大学とする」と規定し、大学等のうち、機関全体が専門職業人養成に特化したものを専門職大学等に位置づけている。一方、新たな機関の設置形態については、中教審答申において、既存の大学・短大が、一部の学部や学科を転換させる等により、新たな機関を併設することも可能とすべきことが提言されている。これらを踏まえ、文部科学省では、専門職大学等の制度化に加え、既存の大学・短大のなかに新たな機関の趣旨を活かす「専門職学部・学科」の制度化を、併せて検討することとしている。(2)大学・短期大学における「専門職学部・学科」

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