カレッジマネジメント211号
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17リクルート カレッジマネジメント211 / Jul. - Aug. 2018学校基本調査をもとにした2030年までの人口動態を47都道府県・エリア別に図1に示した。大学のメインターゲットである18歳人口の変動は、当然大学経営に大きく影響する要因の1つである。1992年に約205万人に達していた18歳人口は2016年に約119万人となり、2018年から再び減少フェーズに突入した。これは大学の2018年問題と呼ばれている。2016年と比較して2030年では全国で12.0%もの人口減少率が見込まれ、全国の18歳は104.8万人となる。約15年で約15万人減少するという、極めて大きな人口変化が起こることが確定している。図1を見ていただくと分かるが、特に人口減少が著しいのは東日本、北関東・甲信越から東北にかけてのエリアだ。一方で東京都と沖縄県は減少せず増加に転じる稀有な例である。なお、流入出を加味しない純粋な都道府県別18歳人口の増減である点にもご留意いただきたい。図1に対して2016年時点の都道府県別の大学進学率を固定し、将来の大学入学者数を予測したうえで、2016年時点での入学定員のまま2030年を迎えると仮定して定員充足率を示したのが図2である。需要と供給のマッチング度合を見ることができる。全国で平均して定員充足率は93.3%。その詳細はエリア・都道府県ごとに様々だ。最も充足率が低いのは青森県、次いで福島。流入出を加味しない状態で充足率が100%を超えるのは東京都、沖縄県だけとなる。その他、エリアごとに示した内容をご確認いただきたい。図2 大学定員充足率(2030年:都道府県別)北海道・東北エリア東北は平均79.2%。全国平均と同スコアの北海道を除き、全国平均を大幅に下回る。北関東・甲信越エリア平均85.9%。94.2%の山梨県を除き、概ね80%台。関西エリア平均89.8%。全府県で充足率85%以上の水準だが、全国平均を下回る。中国・四国エリア中国は平均88.4%、四国は平均83.1%。92.3%の山口県を除き、80%台となっている。九州・沖縄エリア平均94.3%。沖縄県、福岡県を除き全国平均を下回る。南関東エリア平均99.6%。全都県で全国平均を上回り、比較的減少が少ないエリア。東海・北陸エリア東海は平均93.0%、北陸は平均86.3%。愛知県・三重県・福井県では90%を超える。75%未満青森 福島75〜80%未満岩手 秋田 大分80〜90%未満北海道 宮城 山形 茨城 栃木 群馬 新潟 長野 岐阜 静岡富山 石川 大阪 兵庫 奈良 和歌山 鳥取 島根 岡山広島徳島 香川 愛媛 高知 長崎 宮崎 鹿児島90〜100%未満埼玉 千葉 神奈川 山梨 愛知 三重 福井 滋賀 京都山口 福岡 佐賀 熊本100%以上東京 沖縄●2030年大学入学者数(推計) : 2016年大学入学者数に2030年の18歳人口の減少率をかけたもの(推計)●2030年定員充足率: 2016年の入学定員が2030年と同じ場合の入学定員充足率(国公私立計)国内の18歳人口動態はどうなるのか全国平均 93.3%定員充足率は東京都・沖縄県を除き100%未満18歳人口は全国で12%減少する

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