カレッジマネジメント211号
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69リクルート カレッジマネジメント211 / Jul. - Aug. 2018「卒業論文発表会」に至る卒論研究(科目名は「総合薬学研究A・B」)だ。研究室に所属し、実験研究をするが、問題発見・解決能力を身につけるための科学教育が主眼だ。高い研究志向を持ち、研究成果を学会や英語論文で発表する学生も少なくない。「1学年20名程度の研究室への配属には、年齢の違う人とのコミュニケーションというメリットもあります。院生も、若手から高齢までの教員もいる中で、色々な話をしたり、自分のやったことを発表したりで、コミュニケーション能力が磨かれると思います」(後藤学長)。学外実習による中断があったり、学生によっては研究テーマが途中で変わったりしつつ、6年次の6月には2日にわたり公開で行う発表会に臨む。全員がポスター展示とショートトークを、いずれも英語で行うのだ。当然、学生によって英語力には差があるが、最低限、「何を目指して」「何をしたら」「どうなった」の3つを英語でプレゼンするという。ただ、日本人だけの場で英語での発表を貫き続けるのは難しいと後藤学長は言う。「それで、海外の協定校から教員や学生に来てもらっています。日本語の分からない人たちがいるから、英語で話さないと仕方ない。質問も当然、英語でされる。そういう『仕掛け』です。アメリカ、台湾、ドイツ、ベトナム、中国、タイ、エジプトから、計二十数名。教員だけのところも、学生が参加してくれるところもあります」。研究の成果よりも、英語でのコミュニケーション能力向上の効果が大きいいうが、「教員はポスターの英語をチェックしたり、多くの手間を掛けています。大変なのは事実だと思います」と話す。英語力強化を兼ねた教育プログラムとして、もう一つ、臨床開発業務について英語のみで学ぶクリニカル・リサーチ・マネジメントプログラム(Clinical Research Management Program: CRMP)がある。ドイツに本社を置く開発請負会社パレクセル・インターナショナルとの共同プログラムで、5年次の希望者、例年20名前後が受講している。「最初は様子を見ながら2週間くらいから始めましたが、本格スタートの2016年度からは7週間、朝から晩まで、全く日本語を話せない講師に教わります。学生たちも初日あたりは、不安な顔英語で臨床開発業務を学ぶCRMPといえるかもしれない。「最後に、Get-together Partyというさよならパーティー的なものを開きますが、海外からのゲストにはパーティーの招待状を持って頂き、非常に良かったとか、もう一度話したいとかの学生に渡してもらいます。それをもらってパーティーに出られる学生は、全体の4分の1ぐらい。これはコミュニケーションやプレゼンテーションの能力を評価する賞のようなもの。学生にも『招待状は、賞状と一緒だ。記念に残しておきなさい』と話しています」。これらの「仕掛け」を考えたのは後藤学長自身だ。「私が教務部長のときに学長に提案して、2013年度に始めましたが、当初は教員の強い反対がありました。学生にできるわけがない、もっと英語の勉強をさせてからだ、と。そんなこと言っていたら一生できない、ダメだったらダメと分かる経験をしたらよい、と押し切った」。今ではそういった反対の声も聞こえてはこないと分野等所属後のスケジュール3年次後期4年次前期研究倫理教育各所属分野・センター等で課題に沿った研究を行う★実践薬学コースユニット選択ガイダンス(7月) コース選択調査(7月)総合薬学研究A(3.0)総合薬学研究B総合薬学研究B(6.5)(探求薬学コース)総合薬学研究B(6.5)(実践薬学コース)5年次前期5年次後期6年次前期4年次後期★総合薬学研究Bコース選択届、実践薬学コース選択届提出⇒コース決定発表(2月予定)各所属分野・センター等で総合薬学研究Aで実施した研究を継続して実施。~研究成果の発表~卒論(課題研究のまとめ)発表会(6月予定)『英語』で発表・質疑応答公開で実施、海外からの招待者等予定「医薬開発ユニット」「地域医療ユニット」「薬物療法ユニット」上記いずれか一つのユニットを選択

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