カレッジマネジメント228号
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図1 国際教養学部 TOEIC®スコア伸び率図2 国際教養学部卒業生満足度調査における 「本学で身についたと感じるもの」※人数は年度により異なり、また表は大学が把握しているデータに基づきます。出典:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEIC®プログラムDATA & ANALYSIS 2019」入学時(2017年度)2年進級時(2018年度)3年進級時(2019年度)卒業時(2020年度)675点583点520点(点)(%)考え方の柔軟性教養・知識物事を多角的・多面的に考える視点コミュニケーション力多文化・異文化理解卒業生満足度調査〈国際教養学部〉より抜粋34748058067586%64%62%62%60%MIC(国際教養学部)4年生TOEIC平均点語学・文学系(英語専攻)大学4年生TOEIC平均点日本の大学4年生TOEIC平均点宮崎国際大学は国際教養学部比較文化学科と教育学部児童教育学科の2学部2学科を有する大学である。1994年の設立当初から、国際社会に貢献する人材の育成を目指し、リベラル・アーツに基盤を置き、アクティブ・ラーニングを通してクリティカル・シンキングの力や英語スキルを養う教育に取り組んできた。ローカルで活躍する人材育成を掲げる地方大学が少なくないなか、なぜグローバルへと視野を広げたのか、また、今後目指していく方向性について、山下恵子理事長に伺った。宮崎国際大学が設立時より掲げていたのは、日本語と英語のコミュニケーション能力と豊かな教養を備え、グローバル社会で貢献できるリーダーの育成。国際教養学部においては、日本語教育とキャリア教育を除く全ての授業を英語で行う(全授業の88%)、2年次後期の海外留学を必修とする、全ての授業をアクティブ・ラーニング形態で実施する、クリティカル・シンキングに基づく学修が行える科目を設置する等の取り組みを設立当初から行っている。さらに、国際教養学部の外国人教員比率は82%で、外国人教員1人当たりの学生数は20.4人と、「学内は日本という雰囲気がしない」(山下理事長)環境で学生達は学んでいる。その結果、TOEIC®Testのスコアは、入学時の平均334点から4年次には平均661点に伸びる等、大きな成果を挙げている。これらの特長の背景には、「地方だからといった考えからではなく、創設者の『この宮崎の地から世界へ発信したい』という願いがある」と山下理事長は話す。さらに、クリティカル・シンキングの力をつけることを重視したのは、「多様な角度から課題を見つめていく思考法で、正解のない課題が多数ある国際社会で活躍する人材に必要な力だから」とのことだ。「クリティカル・シンキングの力はアクティブ・ラーニングという手法によって効果的に高められることから、アクティブ・ラーニングによって、英語“で”思アクティブ・ラーニングによりクリティカル・シンキングの力をつける26リクルート カレッジマネジメント228 / May - Jun. 2021山下恵子 理事長グローバル人材育成のための教育手法の類型化と学修成果の可視化に取り組み、教育の質を高める宮崎国際大学(3)地方大学の選択肢

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