カレッジマネジメント231号
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6リクルート カレッジマネジメント231 │ Jan. - Mar. 2022小林:2021年卒以降の就職活動は新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けました。コロナ禍が就職活動や新卒採用市場にもたらした特徴的な変化は何でしょうか。増本:目前の変化としては、選考のオンライン化の急速な進展です。21年卒採用実施企業に調査したところ、53.0%がWebでの個別説明会を、55.0%がWeb面接を実施。22年卒採用では、Webでの個別説明会の実施率は前年比21.3ポイント増の74.3%、Web面接実施率は10.4ポイント増の65.4%とオンライン化の流れがさらに進んでいます(※1)。コロナ禍2年目となった22年卒採用では、各企業がオンライン化への対応に慣れ、Webと対面を使い分ける企業が目立つことが特徴です。「会社説明会や1次面接はWebでの実施を拡大する」「最終面接は対面で実施する」という企業が増えています。なお、22年卒採用の面接実施方法の調査では、1次面接を「Webのみで実施した企業」が32.8%と最も多く、次いで「対面のみで実施した企業」が29.9%でした。これに対して、最終面接では「対面のみで実施した企業」が62.9%と突出して多い結果となっています。(図1)。21年卒採用においては、多くの企業が「学生の評価自体はオンラインでも十分可能」という感触を得た一方、最終的な見極めや動機づけ、志望度の判断には難しさを感じていたようでした。ハイブリッド化はそうした課題感が一因と考えられ、企業がオンライン化をきっかけに自社の採用コミュニケーションのあり方を見直し、タッチポイントを工夫する姿が浮かび上がってきます。インタビュー社会とのつながりの中で「育てたい人材像」を明確化し、学びの「解像度」を上げることが重要School to Work5つの論点社会情勢の変化の中で、「School to Work」の在り方はどのように変わっているのだろうか。コロナ禍の影響、学生の志向の変化、ジョブ型雇用への移行、学修成果と採用の関係性、さらに大学が取り組むべき課題について聞いた。1論点コロナ禍が就職活動や新卒採用市場にもたらした変化とは?(インタビュアー)リクルート進学総研所長カレッジマネジメント編集長小林 浩Interview2004年リクルート入社以来、一貫して人材関連事業に従事。『リクナビ』副編集長を経て、2018年4月「就職みらい研究所」主任研究員に着任し、同年10月より現職。ボランティアで母校の就職支援にも尽力。増本 全氏リクルート就職みらい研究所 所長

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