キャリアガイダンス保護者版
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中学で「自立」の資質養成、高校では「自律」が教育目標 下の図表は、文部科学省が提示している学校段階に応じた教育目標を抜粋したものです。日本では中学までが義務教育とされ、その後に職業に就く生徒もいるため、中学校の時点で「社会的自立のために必要な資質・能力を育成」とされています。中学を卒業した時点で、本来は自立できる素養が身についていることが目標だったということです。みなさんのお子さんはどうでしょう? 高校では下記に加え、社会人として将来学び、働き続けるための「正義感、責任感、公徳心や自律の精神を養うことが重要」とされています。 高校に入ると次は大学等への進学や就職が目先の目標となりますが、高校も大学も社会へ出る通過点に過ぎず、それまでに「自立」と「自律」を完成させるということです。これは学校教育だけの目標ではなく、家庭での子育てそのものの目標ともいえます。保護者もこのことをあらためて意識し、理解しておきましょう。心も体も環境も変わる思春期から青年期の過渡期 学校段階の教育の目標が高まる一方で、子どもたち自身の成長過程や環境にも変化が訪れます。体の成長は中学までよりも緩やかになる子どももいますが、高校で体格が変わる子どもも多くいます。 中学よりも通学が遠くなるケースがほとんどで、新しい友人たちとも出会い世界が広がることで、視野も広がっていきます。高校では入学直後から進路指導が始まるところも多く、将来の希望について真剣に考え始める時期でもあります。また、部活や生徒会活動も中学よりも盛んになり、家で過ごす時間が中学よりも少なくなってきます。 こうした子どもの変化に戸惑いを感じたり、心配になる保護者も少なくありません。前ページのアンケートでも、子どもが心配でひたすら手をかけている保護者の声が多く見受けられました。子どもの変化を自立へのステップと受け止め、子離れする準備が親側にも必要なのです。高校生は中学生と何が違うのでしょう?高校生になってわが子が急に変わるわけではありませんが、小・中学校と続いてきた学びがさらにステップアップし、将来像をより具体化させる段階に入ってきます。中学生と高校生の違いを、学びの場と子ども自身の変化で見ていきましょう。日常生活に必要な能力を養うことにより、社会生活に必要な資質・能力の基礎を身に付ける最初の義務教育の場。社会的自立のために必要な資質・能力を育成し、生徒の興味・関心、能力・適性等の多様化に対応して、進学や職業選択の準備をする義務教育の場。生徒が自らの生き方を考え、各自の興味・関心、能力・適性に応じて将来の進路を選択し、決定する能力や態度を身に付けるための学習を深める場。学術の中心として、広く知識を得るとともに、深く専門の学芸を研究し、知的、道徳的及び応用的能力を発展させるための場。小学校中学校高校大学・大学院社会=自立ここが大事!高校はここへのステップ中学生高校生思春期は卒業しつつ大人とも違う思春期、第2次反抗期に突入体格が急激に変わり始める通学が遠くなり、友人の幅も広がるスマホが必需品親より友だちと遊び出すおしゃれに興味を持つ異性に興味を持つバイトをする子も勉強が難しくなる勉強、部活とますます忙しい学校の性質と役割8

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