高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2015
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東京農業大学/オホーツクキャンパス1891年、榎本武揚により東京農業大学の源流「育英黌農業科」創設。現在、世田谷キャンパス(応用生物科学部、地域環境科学部、国際食料情報学部)、厚木キャンパス(農学部)、オホーツクキャンパス(生物産業学部)の3キャンパス体制。教育理念「実学主義」を体現するオホーツクキャンパスの誕生は1989年。生物生産学科、アクアバイオ学科、食品香粧学科、地域産業経営学科の4学科体制。網走市街からバスで30分ほど。●DATA北海道網走市八坂196TEL0152-48-3814(入試課)http://www.bioindustry.nodai.ac.jp/URL47学内で完結しないのが同キャンパスの魅力。フィールドワークが多いうえ、ならではのアルバイトも。中でも多数の学生が経験するのがホタテの養殖や農産物の収穫。地域の方々にとって学生は貴重な戦力であると同時に可愛いわが子のよう。学生にとっても得難い経験となり就活時の面接で盛り上がることも。● オホーツクという地域全体が  人間的な成長を促す私の研究テーマは「ボツリヌス毒素複合体の無毒成分について」。当初は不安でしたが、指導役の先輩が研究内容や魅力を丁寧に話してくれたことで興味が深まりました。4年生になると今度は私が後輩の指導役になる番。人に教えることの難しさを感じながらも、意識的にコミュニケーションの機会をつくり、研究の醍醐味やノートの取り方などを伝えました。研究を受け継ぐ後輩にはすべてを伝えたいし、研究を面白いと感じてほしかったから。今ではすっかり頼もしい存在になりました。就職は連携協定によって参加した研修が縁で化粧品会社に決まりました。勤務地は滋賀県ですが南大東島にも研究拠点があるそう。機会があればそこでも働きたいし、これから両親を温泉旅行に誘うなど、恩返しもしたいです。先輩から学んだことを後輩につなげたい食品香粧学科/埼玉県立熊谷女子高校/就職先・(株)ノエビア松田茉子 さん3年次に編入するまで岐阜県にある専門学校で林業や里山作りなどを実地で勉強していました。そこで地域活性化や地産地消、再生エネルギーに関心をもち、大学で体系的に学びたいと考えオホーツクに。実際、レポート発表や討論を含め座学を通して学ぶことは多く、有意義な毎日でした。卒論のテーマは「中山間地域のビジネスについて」。岐阜県の村を題材に、地域ならではの自然・歴史文化資源を調査し、活性化のための方策を考察しました。そんなこともあり、地域に根差した住宅会社から内定をいただいたときは嬉しくて嬉しくて。定年まで働くつもりですが、いつか実家の工務店を継ぎたいとの考えもあります。両親の期待もありますが、今はただ、お客様に信頼される営業マンになれるよう頑張るだけです。ここで学んだ体系的な理論を現場に生かしたい産業経営学科(現・地域産業経営学科)/愛知工業大学名電高校/就職先・セキスイハイム中部(株)犬飼 匠 さん社会で必要とされる力も、こうした環境のもと自然に育まれているといっていいだろう。そして、それを体系的なキャリア教育や就職支援で補っているのがキャリア課だ。同部署では、大学での学び方や過ごし方をレクチャーする1年次の「フレッシュマンセミナー」にはじまり、2年次の「キャリアデザイン」、「ビジネスマナー」、本格的な就職対策を行う3年次の「人間と職業」や「インターンシップ」などのプログラムを用意。特に個別面談に力を入れ、就職活動を控えた3年生全員に職員がアドバイスを行う。面談は世田谷・厚木キャンパスでも自由に受けられる。オホーツクで学ぶ学生の多くは、首都圏を中心に就職活動を行うが、その際世田谷・厚木キャンパスでもサポートを行っている。「オホーツクも厚木も世田谷も一つの大学。〝オール東京農大〞であり、キャンパスによる隔てはありません」。そう語る世田谷キャンパスの梶山孝泉キャリアセンター長は、「覚悟を決めて入学したオホーツクの学生は、就活に対しても真剣。ぶれないし決断力もある。個々の能力や幅広い体験に加え、そうした覚悟が企業に伝わっているからこその内定率の高さだと思います」と付け加える。ある学生は屈託のない笑顔で語った。「人間的な成長を期待するのであれば、こんなによい場所はありません」。

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