高校3年生の保護者のためのキャリアガイダンス
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 2年生ですべて部活を引退させるという学校もあるようですが、時間があるからといって受験勉強ができるかというと、それはまた別問題のようです。「私は高校時代野球部で、7月下旬に大会に負けて引退。夏休みに時間がたくさんできたのはいいのですが、かえって時間の使い方が下手になり、勉強があまり進まなかった経験をしました。むしろ、部活をやっていたときは時間がないので30分でも集中して、質の高い 急に進路変更を言い出す場合、大きくは受験勉強の行き詰まり感から発している場合と、本当はずっと思っていた本音がこのタイミ勉強をしていたと思います」と、柳澤先生。ご自身の経験だけでなく、顧問をしていたソフトボール部でも、早めに引退した3年生がポカンと空いた時間を持て余し、だらけている様子を間近に見ていたといいます。「時には、部室に集めてしばらくみんなで勉強できるようにしたこともあります。部活をしていた生徒は、時間がない中で頑張っていたので、変に時間ができると切り替えがうまくいかないことがあるんングで噴き出してきたという場合があるようです。いずれにしても、まずその思いを受け止めて話を聞くことが大切で、とりあえずですね。逆に、なかなか引退できない子たちは、質の高い勉強をしている。どちらにしても、保護者が辞めさせると、『本当はやりたかった。やっていたらこうだった』と、勉強が手につかないことも。応援してあげてもらえるといいですね」(柳澤先生) そのかわり、15分でも30分でもいいので、毎日机に向かう約束ができると効果的だとか。「受験勉強は体力がいるので、少ない時間でも、毎日机に向かって習慣化することが重要です。時間は徐々に伸ばしていけばいいのですから」とアドバイス。「留学をするとしたら」の情報収集を一緒に行うことでも、本音が見えてくることもあるようです。「衝動的な希望なのか、前から考えてやはりこのタイミングで留学したいのかを聞いていきます。そのために準備をしてきたのか、ま 及川先生も、「受験だけを考えると勉強に専念させたいと考えますが、将来的に、打ち込んだものが本人の力になる可能性は少なくありません」と言います。ただし、最近は受験も多様化し、AO入試や推薦など、8月、9月に試験が実施されることも。特に、部活などに打ち込んできた生徒は、それらの試験を活用することが少なくありません。「本人たちは大丈夫と軽く言っていることもありますが、試合とのスケジュールが本当に大丈夫なのか、その確認はしておく必要があるでしょう」(及川先生)た、これからどのようなことが必要なのか、情報提供しつつ、自分でも調べてもらいます」と、柳澤先生。その過程では、「日本の大学での留学制度なども多くあることを伝え、本当にこのタイミングなのかどうかを探っていきます」(柳澤先時間があるから勉強するとは限らない毎日、少しずつでも勉強する習慣を今でなければいけないのか話をしてみることから部活が予想外の好成績。夏を過ぎても引退できない受験先を海外の大学に変更。4年間留学したいと言い出す「運動部の生徒は集中力があり、受験モードに切り替えた途端に、があっと伸びていくケースもある。一概にダメとは言い切れない。『隙間時間をうまく使って勉強しよう』と声をかけています」 (横須賀市立横須賀総合高校・田熊豊先生)「サッカーなど引退が遅い種目はあります。正直、浪人する可能性も含めて本人次第です」 (立命館宇治高校・酒井淳平先生)「頑張ってほしいと思える生徒に、進学への取り組みとそれ以外の活動がかぶることは、むしろ当たり前。限られた条件下でどこまでできるか、自己管理能力を身につけられるチャンスでは?」 (広島県立廿日市西高校・前平芳延先生)こう対応するこう対応するこんな意見もありました!22

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