高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2017
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for Parent 2017人の一生を支える学びと仕事で女性のしなやかな感性を活かす教育東京家政大学/東京家政大学短期大学部 Tokyo Kasei University女性が自立するために生まれた大学女性の社会進出がなかなか進まず、先進国の中でもきわめて低いランクに留まってしまっている日本。今「女性が輝く日本」をスローガンに掲げて様々な働き方改革を行い、女性が活躍できる社会の実現に向けて、ようやく本格的に歩み始めている。そんなわが国にあって、女性のキャリア教育の先駆けとして、創立以来「自立して生きる女性」の育成を実践してきたのが東京家政大学だ。その歴史はまだ武家社会の慣習が色濃く残る明治初期にまで遡る。校祖である渡邉辰五郎は、女子教育の第一人者として知られており、国会図書館がまとめた「近大日本の肖像」で、吉田松陰や福沢諭吉らとともに日本を代表する教育家として紹介されている。渡邉が東京家政大学の前身となる「和洋裁縫伝習所」を本郷湯島に設立したのは1881年(明治14年)。すでにその7年前には裁縫の教授を始めており、それまでは文字通り「手取り足取り」教えていた裁縫の教育に、「裁縫掛け図」という解説図を使用した一斉授業を行ったり、現在の「家庭科」の元となった教科書を執筆したりと、新しい教育手法を積極的に取り入れた人物であった。そんな渡邉が掲げたのが「自立して生きる女性」の育成だ。当時の世相は、相次ぐ戦争で一家の大黒柱を失い、生活に困窮してしまう女性が多くみられた。そうした状況に陥らないためには、女性が自ら人生を切り拓き、誰かに頼りきりになるのではなく、必要が生じたときには自分で決断し道を選択できるようにならなくてはいけない。それには高い専門性と教養を習得することが土台となる。創設者のこの想いこそ、現代まで受け継がれてきている同大学の建学の精神である「自主自律」の出発点にほかならない。少子高齢社会で注目されるリハビリテーション「時代の要請に応え、専門性を備えた女性を育成する」ことを教育理念としている東京家政大学は、これまでも教育や保育、栄養、服飾、心理、福祉、看護といった専門分野でリーダーとなる人材を多数輩出してきた。そんな同大学が新たに育成しようとしているのが、作業療法士、女性のキャリア教育の先駆けとして、創立以来136年に亘って10万人以上の卒業生を輩出してきた東京家政大学。人の一生を支える学びの分野を揃え、女性のしなやかな感性を活かす仕事につながる教育を続けている。取材・文/今野雅晴36人の一生を支える学びと仕事の分野をカバーする学部・学科が揃う人文学部家政学部英語コミュニケーション学科心理カウンセリング学科教育福祉学科栄養学科環境教育学科造形表現学科服飾美術学科児童学科 児童教育学科健康科学部子ども学部子ども支援学科看護学科リハビリテーション学科作業療法学専攻理学療法学専攻中学校教諭(英語)高等学校教諭(英語)図書館司書養護教諭 認定心理士 図書館司書社会福祉士受験資格精神保健福祉士受験資格中学校教諭(社会)高等学校教諭(公民)図書館司書助産師 看護師 保健師作業療法士理学療法士保育士 幼稚園教諭特別支援学校教諭幼稚園教諭 保育士小学校教諭 中学校教諭(英語)中学校教諭(美術・家庭)高等学校教諭(美術・家庭)学芸員 1・2級衣料管理士中学校教諭(家庭・保健・理科)高等学校教諭(家庭・保健・理科・情報)栄養士 管理栄養士※※2018年4月改組 構想中 改組される学部・学科等の名称・内容などは予定につき、変更される場合があります。

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