高校生の保護者のためのキャリアガイダンス2017
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「保護者」から「自立支援者」へ 高校生になった 実際、4月当初の課題テストの結果にショックを受ける生徒も少なくありません。しかし、みんな同じように不安なことを伝え、入学時のやる気が高校生活の学習習慣の確立につながるように声かけをしています。椿▼本校はちょっと違う注意が必要ですね。学区が狭い市立高校で、もとからの顔見知りが多いこともあって、高校進学の新鮮味が薄れがちなんです。放っておくと「中学4年生」になってしまうことも。そこで学校では、入学してすぐマナーや学習方法の特別講座を実施して、「高校生になったんだ」という体験的な意識づけを行っています。河口▼本校のような中高一貫校も、やはり境目が見えにくいです。6年間での成長ペースは人それぞれなので、一概に「高校1年はこうあるべき」という言い方はしていないのですが、「義務教育が終わったのだから一人の人間として尊重して任せていくよ」という宣言はしていますね。●学校によって高校スタートの状況は異なりますが、高校生としての意識や生活ペースをつくることの大切さは共通しているようですね。森口▼なんとかペースをつかむまでに、5月の連休くらいまではかかるでしょう。いや、もっとかかるかもしれません。そのころに高校では初めての定期考査に向かわなくてはならず、次々と負荷がかかっていきます。保護者の方はお弁当作りが始まったり、生徒も通学時間が長くなったり、生活リズムの変化に対応するのが大変かと思いますが、家庭における高校生活の基盤づくりについては保護者のご協力をお願いしています。●新入生に比べると、高校2、3年生の先輩たちはとても大人びて見えます。高校生活で子どもたちはどのように成長していくのでしょうか。鈴木▼あるきっかけでスイッチを押したように突然変わることを期待されるかもしれませんが、子どもの成長って植物が伸びていくようにゆっくりなんですよね。毎日見ていると気づかなくても、私たちは夏休み明けに久しぶりに生徒に会うと、「あれ、変わったな」と感じるものです。河口▼そう、ちょうど分針が1分ごとに小さく刻みながら進むように、じっと動かないなと思っていると何かの体験でフッと伸びる、それを繰り返していくイメージでしょうか。勉強そっちのけで部活や文化祭に打ち込んでいると、保護者は不安になるでしょうが、そういう時がフッと伸びる瞬間です。ときには試合に負けたり、学校行事をうまく進められなかったり…落ち込むような出来事も植物のようにゆっくり成長苦しい時こそぐんと伸びる現役の先生に聞きました!5for Parent 2017

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