大学の約束2016-2017
12/17

落合陽一おちあい よういち●1987年生まれ。メディアアーティスト。落合陽一研究室デジタルネイチャーグループ主宰。筑波大学でメディア芸術を学び、東京大学で学際情報学の博士号を取得。現在は、応用物理、計算機科学、アートコンテクストを融合させた作品制作・研究に従事している。国内外で多数受賞しており、〝現代の魔法使い〟と名高い。筑波大学 図書館情報メディア系 助教もし、将来自分に子どもができて、日本の大学に入れるとしたら、学生が元気な大学がいい。すなわち、自由にものが作れるところです。おそらく、これからIoTが活用され、世の中の学び方はより自由になっていくでしょう。10年後、20年後には、みんなが毎日通学して、同じようなカリキュラムを受講して、というのが当たり前ではなくなると思うんです。学生の進捗度に合わせてカスタマイズできる仕組みが作られるのではないか、と。最近は学びのツールとして、オープンソースソフトウエアが増えています。これらが自由に使えるようになることで、大学は学ぶ場から、学んだことをより高度な文脈で活用する場、あるいは実践する場へと変わっていくでしょう。例えば、学生が企業や社会の課題解決に取り組む、といった機会が増えるんじゃないかな。そうなると、大学教育の可能性はどんどん広がっていく。大学はそれに耐えうる工作機械、優秀なメンター(教員)、それに企業や社会問題に向き合う人とのコネクションを用意しておく必要があります。2030年には、今の4歳児が大学に入学します。当然、この数が増えることはないので、確実に複数の大学は潰れてしまう。この人口減少に逆らうには、海外から人を呼び込むことが必要となるでしょう。加えて、大学自らが研究費を集め、学生の教育に還元できる仕組みを作ることも。私は、その一つの手段として、2016年にクラウドファンディングによる研究助成手法を導入し、プロジェクトを成立させました。未来を担う若者たちにしっかり投資し、自由に研究させられる場に大学がなれることを願っています。クラウドファンディングで集めた寄付金は、主に研究室の1~3年生の研究教育用試作予算に充てられる。Photo:内海明啓12

元のページ 

page 12

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です