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先生・教授
■創作劇を通して知的障がい者への理解を広める 福祉学
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薬師寺 明子講師

生活科学部
福祉のまちづくり学科社会福祉専攻

障がいを持つ人やその家族と地域の人たちの心をつなぐため、「リカイヒロメタインジャー」は今日も行く!

■障がいがあっても「ええがん!」
1人の主婦が、スーパーで大声で何かを繰り返し叫んでいる人を見かける。すると主婦は別の男にいきなりバッグをつかまれ、パニックに陥る。「何だかわからないけど怖い、気持ち悪い」。そう思いながら帰宅し、うたた寝した主婦の夢の中に天使が現れ、語りかける。「あなたを驚かせたあの人たちの突飛な言動は、知的障がいや自閉症によるもの。決して悪意はないのです」。なるほど、と納得しかける主婦。と、そこに今度は悪魔が登場。「でも頭で理解していても、気持ち悪いものは気持ち悪いよね」。これに対して「いきなりバッグをつかんだのは、かばんのチャックが開いていたから。開いていると、どうしても閉めたくなるのは自閉症の特徴の一つ」と反論する天使。そして……。
実はこれ、「美作福祉部隊・リカイヒロメタインジャー」が演ずる創作劇『ええがん』の一コマ。「リカイヒロメタインジャー」は、地域における障がい者理解と支援の輪を広げようと、2006年に薬師寺明子先生と先生のゼミに所属する学生たちが結成したプロジェクトチームだ。
■地域の人々の理解を深めるには……
きっかけは、1人のゼミ生の卒業研究だった。「自閉症の子を持つ親は、地域の人々に自閉症について理解してもらえないのがしんどいと感じている。一方で地域の人たちも、理解したいとは思っているけれど、その機会がない…そんな実態が見えてくる研究でした。そのことを私のゼミに所属する3年生たちに話したところ、学生たちがとても興味を持ち、『じゃあ、理解の輪をどうやって広げるかをゼミの研究テーマにしよう』ということになったのです」と薬師寺先生。先生とゼミ生たちは、大阪で知的障がい者の権利擁護活動を進めている団体を訪ね、障がいを疑似体験するプログラムを受講。さらに「講演形式で一方的に話しても、聞く人たちの心には届きにくい」という考えから、先にご紹介した『ええがん』を創作し、疑似体験プログラムとセットにして、公演活動を始めた。
■芝居づくりを通して障がいをより深く考える
昨年1年間で、「リカイヒロメタインジャー」が行った公演は12回。参加者はのべ1200人にも及ぶ。「対象は、高校生、大学生、そして障がい児(者)の保護者から中高年の方までさまざま。学生たちは対象者に合わせ、より理解を得られるようにシナリオを改訂します。その過程で学生たち自身も障がいや障がい者福祉についてより深く学び、考えるようになります」と薬師寺先生は言う。「学生時代の私は、ごく普通のOLになろうと思っていました。それが、実習で知的障がい者の施設に行き、障がいを持つ方々と接したことで大きな衝撃を受け、気がつくと、障がい者福祉の道に飛び込んでいました。彼らを取り巻く社会の現状に疑問を持ち、何とかしたいと奮闘する学生たちの姿を見ていると、私自身の思いを形にしてくれる学生たちに感謝しています(笑)」。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。