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今人気の薬学部。「6年制」と「4年制」では何が違うの?

今人気の薬学部。「6年制」と「4年制」では何が違うの?

●6年制は薬剤師養成、4年制は研究者養成

 

医療系の分野に興味がある!何か一生使える資格をとりたい!という高校生にとって、大学の薬学部は注目しておきたい進学先の一つ。

 

少し調べたことのある高校生なら、薬剤師を取得するには、薬学部に6年間通って国家資格を受験する必要があることは知っているのでは?

 

しかし、各大学の薬学部についてさらに詳しく調べてみると、実は国立大学や一部の私立大学には「6年制」のほかに「4年制」もあることに気づくはず。「6年間はちょっと長いなぁ…」と感じる人も少なくないだろうから、この4年制の存在は気になるところだ。

 

では、同じ薬学部になぜ6年制と4年制があって、どのような違いがあるのだろうか?その役割の違いはズバリ以下のとおり。

 

□6年制…薬剤師の養成が目的
□4年制…薬学研究者の養成が目的

 

薬剤師の資格を取得するためには6年制に通うことが必須。4年制を卒業しても薬剤師国家試験の受験資格は得られない。というわけで、何が何でも薬剤師の資格を取得したい人は、迷わず6年制に進むべし。

 
 

●研究者を目指すなら大学院修士修了が必要

 

ただし、「薬剤師に関心があったけど、薬学の研究者というのもおもしろそうだな。4年で卒業できるのも魅力だし」と4年制に興味が湧いた高校生もいるはず。その場合はさらに注意するポイントがある。

 

製薬会社など薬学の研究職を採用する企業では、一般的に大学院修士課程以上の修了者を求めていることがほとんど。4年制は確かに学部での学びは4年間で終わるが、研究職での就職を希望する場合、学部卒では厳しいという現実があるのだ(※営業職や品質管理などの技術職なら十分就職は可能)。

 

要するに、4年制薬学部に進んで研究者を目指すなら、最低限+2年修士で学ぶ必要があるということ。結局はこちらもトータルで6年間は学ぶことになる。6年制に進んでも4年制に進んでも、社会に出るまでに学ぶ期間は実質的に同じというわけだ。

 
 

●研究職への就職は募集も少なく狭き門

 

ということで、「学ぶ期間は6年間でもOK。資格はいらないから、新しい医薬品を創る仕事に就いてみたい」という人たちが4年制薬学部に進むことになる。ここでもう一つ、注意しておきたいポイントがある。

 

製薬会社や食品メーカーの製薬部門などの研究職の募集は数がそれほど多くないため、実は結構な狭き門。どの仕事にもいえるかもしれないが、修士課程を修了したからといって必ず研究者になれるわけではないことは覚悟しておく必要があるのだ。とはいえ、バリバリの理系人間にとって研究者はやりがいもあるあこがれの仕事。覚悟を決めたうえで目指す価値は十分ある。

 

一方で、薬剤師は、調剤薬局、病院、ドラッグストアなど進路にバリエーションがあり、国家資格の強みもあって、研究職と比べれば就職はしやすい。特に女性の場合は、出産後の再就職がしやすいといったメリットも。

 

このように、同じ薬学部でも6年制と4年制とでは卒業後の進路も大きく変わってくる。医療系の分野に関心がある高校生は、一度しっかりチェックしておこう。

 

伊藤敬太郎 ライター

伊藤敬太郎

Webサイト、情報誌、メルマガなどで、教育、資格、キャリア、ビジネスといった分野を中心に活動。これまでに執筆した主な媒体は『キャリアガイダンス』『社会人・学生のための大学&大学院選び』『リクナビNEXT』『仕事の教室ビーカム』など。

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