女性管理職が3割を超える時代が日本にもやってくる?

●欧米諸国では「女性管理職3割」は実は当たり前!?

 

今や女性が働き続けることは当たり前の時代。「社会に出たら活躍して、ずっと働き続けたい」と思っている女子高校生も少なくないはず。

 

ただ、男性の場合、課長、部長など、部下を管理する「管理職」に出世していくイメージがあるのに、女性の場合は、働き続けたときの将来像がなかなかイメージできないという高校生が多いかも。

 

そこで注目したいのが、今、国がかかげている「2020年までに女性管理職を3割に」という目標。これ、「ずっと働き続けたい」という女子高校生にとって実は大事な問題。とはいえ、まだ会社で働いたことがない高校生には「3割」という数字が多いのか少ないのかよくわからないかもしれない。そこで、海外の数字と比較すると──

 

<女性管理職割合の国際比較>
アメリカ   43.2%
フランス   38.7%
イギリス   35.7%
イタリア   32.8%
スウェーデン 31.2%
ドイツ    29.9%
日本     10.6%
韓国     10.1%

出所/独立行政法人 労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2012」(日本以外)、総務省統計局「労働力調査」(日本)

 

欧米では「3割」はごく普通の割合。それに対して日本や韓国はほぼ1割。日本は国際的に見ても女性の管理職が圧倒的に少ないから、国際水準並みに増やしましょうというのが、「2020年までに女性管理職を3割に」の意味なのだ。

 

女性管理職が3割を超える時代が日本にもやってくる?

 
 

●今まで日本に女性管理職が少なかった理由とは?

 

当然「なぜ日本はこんなことに?」という疑問が湧いてくるはず。その大きな理由は、日本の社会には「女性は結婚して家庭に入り、男性は会社で出世を目指すのが当たり前」という考え方が根強くあったから。女性は結婚・出産で会社を辞めてしまい、長く働き続ける人がそもそも少なかったのだ。

 

女性管理職が3割を超える時代が日本にもやってくる?

 
 

●女性が長く働き続けられる環境は整備されてきた

 

しかし、そんな状況も変わりつつある。女性の活躍を支援するための企業研修などを手がける株式会社ライフワークスのコンサルタント、藤田香織さんは現状をこう解説する。

 

「『働き続けること』の支援に関しては、ここ数年で会社の育児休業制度や時短勤務制度などが急速に充実しています。今や出産がきっかけで仕事を辞める女性は非常に少なくなりました」

 

例えば、子どもが1歳になるまでは会社を休んで育児に専念し、職場に復帰して数年は勤務時間を短くして仕事と育児を両立するといったことが多くの会社でできるようになっている。

 

「今はビジネス環境も以前とは大きく変わっていて、女性のアイデアやリーダーシップが企業にとっても必要になってきています。女性の管理職登用やそのための支援に積極的に取り組む企業も増えていますね」(藤田さん)

 

あとは、「性別で仕事の役割を分ける」という昔ながらの考え方から頭を切り替えていくこと、女性も男性も無理なく仕事ができる働き方の改革を進めることなどが課題。「それが実現できれば、女性が当たり前に管理職を目標にする時代が訪れるはず」と藤田さん。「将来はバリバリ働きたい!」という女子高校生にとって、未来は明るいといえそうだ。

 

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