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パイロット不足を背景に大学のパイロット養成が本格化!

パイロット不足を背景に大学のパイロット養成が本格化!

日本の航空業界では、LCC(格安航空会社)の参入が相次いでいる。また団塊世代のパイロットが退職の時期を迎えたこともあり、国土交通省は「今後毎年50~100人のパイロットが不足する」と予測している。

 

これを受け、大学でパイロット養成課程が次々と開設されている。現在では、東海大学、桜美林大学、法政大学、崇城大学、千葉科学大学、神奈川工科大学、第一工業大学などでパイロットの資格取得が目指せる。今回は、桜美林大学に、パイロット養成の実情について話を聞いた。

 

●どんなことを勉強するのか
「パイロットを目指すには航空力学、航空気象など、理系の学力が必要ですが、英語や航空法など文系の科目もあります。高校時代に大事なのは苦手科目を作らないこと、文系・理系、どちらもできるバランス力をつけることです」という桜美林大学の岡田充教授(元日本航空 747-400機長)。
 
飛行機を操縦するためのライセンスは何種類かあるが、各大学で取れるライセンスの種類が異なる。東海大学と桜美林大学では、航空会社などで副操縦士として操縦する場合に必要な「事業用操縦士(多発)」「計器飛行証明」免許を目指す。法政大学では自家用の軽飛行機などの操縦に必要な「自家用操縦士(単発)」免許を目指し、希望者は「事業用操縦士」「計器飛行証明」を目指すことができる。

 

カリキュラムは、それぞれの大学で目指すライセンス取得に向けた試験対策科目が軸になる。どの大学でどの資格が目指せるかは事前によく調べておこう。

 

●入学前に航空身体検査がある!?
入学するための意外な関門として、多くの大学でパイロットの国家資格取得に必要な用件に即して身体検査が行われる。大きく分けて「事業用操縦士」免許を目指す場合は、「第1種航空身体検査」、「自家用操縦士」免許を目指す場合は、「第2種航空身体検査」の条件を課す大学が多い。
 
「第1種航空身体検査」では視力は裸眼またはメガネなどにより両眼で1.0以上であることなどが必要になる。また、聴力検査もあり、この視力・聴力検査で不合格になる受験生が意外に多いそうだ。気になる場合、全国にある航空身体検査指定機間で事前に航空身体検査を受けるとよいだろう。

 

●学費は高い?
どの大学も学費に加え、フライト訓練の費用がかかる分、高額になる。

例えば、桜美林大学のフライト・オペレーションコースの学費は4年間で実質736万円。これに加えてニュージーランドでの訓練費が約800万円程度、寮費が4年間で300万円程度かかる。

 

「大学卒業後、自己負担額の少ない航空大学校や大手航空会社の自社養成の道もありますが、大学在学中に比較的安価で確実にパイロットを目指せる道だといえます」と桜美林大学フライトオペレーション事務室の浜田課長。

 

冒頭で紹介したように、現在は慢性的なパイロット不足であり、将来的にも売り手市場であることが見込まれる。また厚生労働省の調査によると、パイロットとして働く若手社員(25~29歳)の平均年収は約728万円。会社の規模によって年収に差が出てくるものの、一般的なサラリーマンの平均年収よりは恵まれた待遇が期待できる。

 

●就職率は高い?
桜美林大学からは現在1期生、2期生が卒業したが、どちらも就職率100%を達成している。

「ほかの大学も就職対策を行っていると思いますが、例えば本校は1学年20名前後と少人数のため、多数いる元パイロット教員がマンツーマンに近い指導ができます。特に就職試験前には徹底的にシミュレーター訓練を行い、合格レベルに達するまで練習を重ねます」と岡田教授。

 

その他の大学の就職実績については、取れる資格や航空会社とのつながりなどで、実態はさまざまといえそうだ。これについても、自分の希望に合うか、十分に調べる必要がある。

 

パイロットを目指すにはさまざまな関門があり、努力も必要だが、専門の養成機関で訓練を受け、ライセンスも取得すれば就職のチャンスは格段に高まる。パイロット不足の現状を打破する人材として活躍する未来を思い描いてみてはいかがだろう。

 
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太田知子 フリー編集者・ライター

太田知子

進学、健康、結婚、出産・育児など意外と幅広い分野の雑誌・WEBサイトの編集記事・広告記事の企画・制作に携わる。高校生向けの進学関連情報の経験が一番多い。高校生に役立つ情報、高校生が元気になれる情報の伝え手になれるよう、頑張ります。

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