英語嫌い克服のための第一歩! 言葉のもつイメージを理解しよう

誰にでも得意な科目と苦手な科目があるはず。苦手な科目は勉強するのがイヤになり、ますます点が取れないという負のスパイラルにはまってしまう人も多いんじゃないかな?

 

リクナビ進学が「苦手科目は何?」とアンケート(※)を取ったところ、2位となったのが英語 25%だった。(1位の数学編についてはコチラから)

 

なんとか英語ギライを克服する方法はないだろうか? そこで、大手予備校・河合塾で人気の英語講師・成川博康先生に【単語】と【時制】について、お話をうかがった。

 

 

【単語編】

 

「とにかく覚えるしかない!」とひたすら丸暗記していませんか? それでは苦手に感じるのも当たり前だと思います。

 

例えば、単語の「頭」や「おしり」に注目すると、単なるアルファベットの羅列にしか見えなかった単語も違った風に見えてきます。

 
 

■「serve」=「保つ→与える」を理解すると「conserve」「reserve」もわかる

 

conserve, reserve, preserveと並んだらアレルギーが出そうですが、単語の「おしり」にある「serve」はどんな意味でしょう?

 

「ドリンクサーバー」を思い出すとわかります。ドリンクを保っておき、ボタンを押すと飲み物が出ますよね。「保っておき、必要があれば与える」というのが「serve」のもつイメージです。

 

これをもとに考えてみます。

 

「conserve」の「con」は「一緒に」。「一緒に保つ=資源や自然などを保護する」、「reserve」の「re」は「後ろへ」。「あとの人のために保っておく=予約する」、「preserve」の「pre」は「前、あらかじめ」。「あらかじめ保っておく=保存する、保護する」。

 

単語のもつイメージを理解すると、それを組み合わせることで、単語の意味を連想することができるのです。これで、単語を覚える苦労がぐっと減ります。

 

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■aとtheの違いって何だろう?―嘘をつくはtell a lieで真実を言うはtell the truth!?

 

「数ある中のどれか1つ」がa。相手を思いやっての嘘、相手を裏切る嘘。「嘘」もいろいろです。その中のどれか1つをつくと考えてtell a lieです。ところが、真実は必ず1つに決まりますよね。こんな場面では、theを用いてtell the truthがピッタリなんです。

 

このように、「なぜ?」を大切にして理由を知ると、「なるほど!」「おもしろい」と感じることが多くなると思います。

 

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【時制編】

 

日本語との大きなズレを感じがちな時制についても、考え方は単語と同じで、イメージを理解することがポイントです。

 
 

■「過去形=過去のこと」という理解では不十分!?

 

例えば「過去形」は過去のことを表現するときだけでなく、「仮定法」や「丁寧な表現」をするときにも使います。なぜだと思いますか?

 

過去形は「過去のこと」より、「離れている感じ(距離感)」と理解してみましょう。現時点から1秒でも時間的に離れた「過去」も、現実離れを表現する「仮定法」でも、先輩など人間関係が近くなく「丁寧な表現」をしたい場合にもすべて過去形が使われるのです。

 

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■「have+過去分詞」という形に注目して現在完了形を攻略してみよう!

 

「現在完了形」も考えてみましょう。「have + 過去分詞」で表現し、「経験、継続、完了、結果」の4種類の意味があると習いますが、なぜそうなのか理由がわからないまま暗記することが多いと思います。

 

現在完了は、

 

「have」→「現在もっている」
「過去分詞」→「過去に~した」をそれぞれ足したものと考えればよいのです。

 

I have lost my key.
「現在もっている+カギを無くした=今もカギはない」

 

Bob has loved Mary.
「現在もっている+メアリーを愛した=今でもメアリーを愛している」

 

と読み取ればいいのです。これなら4種類のうちどれか、と考える必要はありません。ちなみに、Bob loved Mary.と過去形を使ったらどうなるか? ボブのメアリーへの愛情は「離れている」、つまり、もう愛していないとわかりますね。

 

英語は単語や文法を「日本語の意味」に訳して理解すると習うことが多いですが、「英語のもつイメージ」で理解することが大切です。そこに注目してみると、英語がおもしろくなると思います。

 

英語嫌い克服のための第一歩! 言葉のもつイメージを理解しよう

 
 

 

「そんな風に考えたことがなかった!」「イメージから理解するほうがわかりやすい!」と思った人は多いんじゃないかな? ぜひ、英語を勉強するときは実践してみよう!

 
 

※2014年11月にインターネット上で実施。高校1~3年生416人が回答。数値は複数回答者も含む。