学問

バレンタイン間近! 科学で上手にメレンゲを作ろう

バレンタイン間近! 科学で上手にメレンゲを作ろう

告白する絶好のチャンス、バレンタインが近づいてきた。どんな手作りチョコを贈ろうかと、思いをめぐらせている女子も多いだろう。そんな手作り派に、科学の力を利用した、お菓子作り成功の秘訣を伝授したい。

 

紹介するのは、マシュマロやシフォンケーキで最初の手順となる、メレンゲの上手な作り方だ。メレンゲとは卵白に砂糖を混ぜて泡立てたもの。マシュマロやシフォンケーキがふっくら柔らかく仕上がるかは、このメレンゲがフワフワにできるかどうかにかかっている。

 

メレンゲ

 

コツを教えてくれたのは、パティシエでも料理研究家でもない、北海道の市立函館高等学校で物理を担当する渡辺儀輝先生。

 

「ポイントは砂糖を入れるタイミングです。
卵白の中には『タンパク質』が含まれています。このタンパク質、小さな粒が鎖のように長く長くつながった構造をしていて、そのままではクシャクシャっと折りたたまれた形をしています。一生懸命泡立て器で卵白をかき混ぜると、この折りたたまれた鎖がほどけてきて、一本一本が複雑に絡み合い、中に空気を閉じ込めフワフワしだします。
この状態になってから砂糖をかけると、泡の表面のたんぱく質をコーティングするので泡が壊れにくくなり、フワフワのメレンゲができるのです」

 

しかし、泡立つ前に砂糖を入れてしまうと、うまくいかないという。

「砂糖が、折りたたまれたままのタンパク質をコーティングしてしまうので、まったくフワフワしません」(渡辺先生)

 

お菓子作りや料理に欠かせない素材の特性について、科学的な知識をもつことは腕前に影響するようだ。ちなみに渡辺先生は、「砂糖」と「塩」を舐めることなく見分けられる方法も教えてくれた。

 

まずは、水に溶かしてみる方法。

 

「水100gに食塩は35g程度しか溶けませんが、砂糖はそれ以上溶けます。また温かくしても食塩の溶ける量は変わりませんが、砂糖はグングン溶けます。温度によって溶ける量がまったく変化しない、というのも食塩の大きな特徴ですね」(同)

 

また、電気を通すか試してみると…

 

「電気を通すことができるのは食塩水のほうです。砂糖はショ糖分子で、食塩=塩化ナトリウムはプラス帯電のナトリウムイオンとマイナス帯電の塩化物イオンでできているからです」(同)

 

そして、千切りキャベツに混ぜてもんでみると…

 

「ショ糖分子はとても大きく、イオンはとても小さいので、同じ質量の砂糖と塩を水に溶かした時、バラバラになる粒子の数は食塩の方が圧倒的に多くなります。従って、同じ質量の砂糖と塩でキャベツをもむと、粒子の多い食塩のほうがたくさんの水がでてきます」(同)

 

「メレンゲの例のように、お菓子作りのなかには科学がたくさん潜んでいます。理科は、理系だけが学ぶ、単なる『一科目』ではありません。豊かな、そして安全な生活を送るための、全人類の必須の学びなのです」(同)

 

バレンタインで彼のハートを射止めるためには、理科の授業もしっかり聞いておく必要がある!?

 
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藤崎雅子 編集者・ライター

藤崎雅子

高校の先生方向けキャリア教育の専門誌にて、全国の高校の取り組みを取材しレポートする連載を担当するなど、教育関係の雑誌やサイトを中心に活動。ほか、二児の母としての目線を生かした様々なテーマの取材・執筆活動を行っている。

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