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科学的にアプローチ! 理科教師に聞いた正しい「日焼け対策」

科学的にアプローチ! 理科教師に聞いた正しい「日焼け対策」

待ちに待った夏休み! 高校生のみんなは、サンサンと照りつける太陽のもと、部活で汗まみれになったり、海やプールではしゃいだりすることだろう。そこで注意したいのが「日焼け」だ。

 

すでに日焼け止めクリームを塗るなどしている人も多いだろうが、それで対策は十分だろうか。日焼けのしくみを知れば、より効果的な日焼け対策ができるはず。

 

そこで、理科のおもしろさの伝道師なべ先生こと、立命館宇治中・高校の渡辺儀輝先生にアドバイスをもらった。

 

Q.なぜ日焼けするのでしょうか?

 

A.みんなが知っているとおり、日焼けは太陽光に含まれる「紫外線」という電磁波によるもの。紫外線は波長が短く、高いエネルギーをもっているので、皮膚の細胞が刺激を受けて黒くなったり、炎症を起こしたりするのです。
 

ちなみに、太陽光には紫外線以外に「可視光線」「赤外線」があります。色として認識できる可視光線、ものを温める作用のある赤外線は、紫外線より波長が長く(=エネルギーが小さい)、皮膚はあまり刺激を受けません。

 

光の種類

 

Q.効果的に日焼けを防ぐための、日傘や帽子、洋服の選び方は?

 

A.紫外線を遮断する働きが強いため、白より黒のものがおすすめです。ただし、黒の日傘や帽子は、内側の温度が高くなることは覚悟しましょう。

黒い場合、紫外線は通しにくいのですが、可視光線を吸収してエネルギーが貯まり、内側に赤外線を放出することで温度が上がります。一方、白い場合、内側に若干の紫外線を透過させますが、可視光線を反射するのでエネルギーが貯まらず、温度は上がりません。日焼け対策を優先するなら黒ですが、涼しさを優先するなら白を選んでは?

 

Q.夏休みは1日中、外で部活なので、日焼け対策が追いつきません。シミやソバカスが心配です。

 

A.体の外側だけでなく、内部からの対策が必要ですね。

紫外線が皮膚の奥の真皮まで届いてしまうと、その細胞は弾力を失ってハリがなくなり、シミやたるみの原因になってしまいます。そこで、肌のハリを回復する効果が高いビタミンA、C、Eを、取りすぎず、少なすぎず、バランスよく摂取するよう心がけることが大切。消化、吸収しやすいように、野菜やフルーツであればミキサーにかけてジュースにするなど工夫するといいでしょう。

 

・ビタミンA:レバー、うなぎ、卵、にんじんなど
・ビタミンC:ピーマン、ゴーヤ、フルーツなど
・ビタミンE:えび、たらこ、いかなど

 

紫外線は美白の敵だが、実は私たちの生活を支える役割も果たしているという。

 

「その代表例が『蛍光灯』。蛍光灯のスイッチを入れると内部で紫外線が出て、それが蛍光管の内側に塗られた蛍光物質に当たることで発光するのです。蛍光管に何も塗らず紫外線をそのまま見せている『殺菌灯』は、調理器具の殺菌や水虫菌の繁殖防止のために使われています」(なべ先生)

 

悪い面ばかりではない紫外線。その正体を理解して、うまく付き合っていきたい。

 
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◆ミクロからマクロまで、自然界の現象を観察し、真理を探る【物理学

 


 
【なべ先生】
立命館宇治中学校高等学校 物理教諭 渡辺儀輝
今春、北海道の市立函館高等学校から京都府の立命館宇治中学校高等学校へ転任。FM番組の科学ニュース、ケーブルテレビの実験ショー、新聞の科学解説記事などで幅広く活躍。「すべての子どもたち、大人たちが理科好きになってほしい」と願っている。

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藤崎雅子 編集者・ライター

藤崎雅子

高校の先生方向けキャリア教育の専門誌にて、全国の高校の取り組みを取材しレポートする連載を担当するなど、教育関係の雑誌やサイトを中心に活動。ほか、二児の母としての目線を生かした様々なテーマの取材・執筆活動を行っている。

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