「友達が多い人はコミュ力が高い」…とは限らない!?

社会に出る若者に企業が求める能力として必ず挙がるのが「コミュニケーション能力」。今や高校生・大学生の間でも「コミュ力」という言い方が浸透しているが、実は企業と若者との間にはコミュ力に関する認識にズレがあるともいわれている。

 

そこで、人材育成コンサルティング会社・FeelWorks代表の前川孝雄さんに高校生・大学生世代にありがちな“コミュ力をめぐる誤解”を挙げてもらった。

 

誤解1:友達が多い人はコミュ力が高い

実は同い年の友達がたくさんいるだけではコミュニケーション能力が高いとはいえない。
「考え方の近い仲間同士のやりとりは言わなくても通じる要素が多いので楽なんです。社会で求められるのは、立場や考え方が違う多様な人たちとのコミュニケーション。その意味では、見知らぬ大人と的確に話ができることのほうがはるかに大切ですね」(前川さん)

 

誤解2:人の意見を否定しない人はコミュ力が高い

空気が悪くなるのを怖がって、他人の意見は何でも「いいね!」と肯定するのが最近の若い世代の傾向だと前川さん。しかし、社会では、よりよい結論を導き出すために、相手の意見に問題点があればきちんと指摘することも必要。「今の意見に関して私は違う考え方をもっていて…」とスマートに反論できる力も重要なのだ。もちろん相手の人格を否定するのはNG。対話を通じ、相手とも自分とも違う第三の結論を導き出せる力こそが本当のコミュニケーション能力だ。

 

誤解3:おしゃべりが上手な人はコミュ力が高い

自分の言いたいことを一方的に話すだけでは“コミュニケーション”は成立しない。
「社会で求められるのはむしろ“聴く力”。目と耳と心で相手の思いをしっかり聴いて理解することが、建設的なコミュニケーションを成立させる基礎になります」(前川さん)

 

見知らぬ大人と交流する、反論や批判に臆病にならない、相手の話をしっかり聴く。この3つを意識して、自分のコミュニケーション能力を磨き直してみよう!