悪質化が止まらないネットいじめ。身を守るにはどうしたらいい!?

●大人の目につかなくなっている学校裏サイト

ネットの掲示板に悪口を書き込まれる、個人情報をネット上で拡散される…。

 

こうした「ネットいじめ」は、高校生にとって身近で深刻な問題。最近は対策に取り組む学校も増えており、表向きは問題のある書き込みが減るなど一定の成果を挙げているケースもあるが…。

 

ネットいじめ問題に取り組む全国webカウンセリング協議会の安川雅史さんは次のように指摘する。

 

「いじめる側も考えていますから、先生たちにみつからないようなかたちで新しい掲示板を作っている。実質は、減っているのではなく、大人の目につかなくなっているだけなんです」

 

●LINEが原因でいじめにつながるケースも

ネットいじめの原因は多くがささいなことだ。SNSやオンラインゲームでのやりとりがそのきっかけになることも多い。最近では、LINEでのコミュニケーションが原因になるケースが目立っている。

 

「既読なのに返信が来ないからと無視されるようになった、自分を外したLINEグループを作られたなどの相談も私たちのもとに多数寄せられています」

 

LINEのグループトーク内でのいじめはWebサイトと違って外部からはチェックできない。また、友達同士でグループを作っていることが多いため、そのいじめはリアルな生活にも直結してしまう。

 

●パスワードは簡単に外されてしまう

一方、ネットいじめの怖さは、仲間内やクラス内だけでとどまらないところにもある。今やいじめる側は知り合いばかりとは限らないのだ。

 

例えば、最近増えているのが、飲酒、喫煙、バイト先でのいたずらなどの画像や書き込みが個人情報と一緒にさらされて不特定多数からのバッシングにつながるケース。エスカレートすると、学校にクレームが入る、住所が特定されるといった事態に発展することもある。

 

「友達とだけやりとりをしている感覚でSNSに、個人情報やプライベート画像、他人の悪口などを書き込むのは非常に危険なのです。また、パスワードをかけているから大丈夫と思っていても、ネットにさらすためのネタ探しをしている人間は、パスワードなど簡単に外してしまいます」

 

●個人情報などを不用意に書き込むのはNG

全国webカウンセリング協議会では、被害者からの依頼で、悪質な書き込みの削除に無料で取り組んでいるが、ネット上に拡散した情報を完全に消すことは非常に難しいという。場合によっては、一生その書き込みにつきまとわれることに…。

 

万が一、ネット上に自分への誹謗中傷や個人情報を書き込まれた場合は、とにかく学校や行政などにすぐに相談するべき。この6月にはいじめ防止法が公布され、ネットいじめに関しても、法務局の協力が得られるなど、以前と比べれば被害者を守る体制は整ってきた。

 

しかし、それ以上に大切なのはネット上に不用意な書き込みをしないことだと安川さんは指摘する。

 

「あなたがSNSやプロフに書き込んだこと、アップした画像は世界中に公開されている。それを常に意識してネットを利用するようにしましょう」

 

この基本を徹底することが、ネットいじめから身を守るための最善策なのだ。