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好奇心の授業
江戸の住民120万人中、1/3が足を運んだ「籠細工」見世物興行の魅力とは?
籠細工見世物の目玉、高さ7メートルの「関羽」。
川添教授の著書の数々
多彩な娯楽に満ちた江戸時代
江戸時代の最大の娯楽は「見世物」
江戸時代、歌舞伎や落語と並んで、いやそれ以上に庶民に人気のあった娯楽である「見世物」。その内容は、日本版サーカスとも言える足芸や軽業などの曲芸から、外国から来た珍獣を紹介する動物見世物まで実にさまざまです。中でも近世後期の興行の半分近くを占め、江戸や大阪で社会現象とも言えるブームを巻き起こしたのが「細工見世物」。これは、細工や仕掛け、人形で、伝説の人物や歴史場面を再現した、いわば江戸版テーマパーク。たとえば文政2年(1819)に行われた籠細工の浅草興行は、江戸住民の実に1/3以上が訪れたと言います。現在のテーマパークや流行スポット、あるいはミュージカル『キャッツ』のように誰もが知る話題沸騰の娯楽だったのですね。
一大ブームを巻き起こした籠細工
左の写真は、浅草興行での籠細工の関羽。籠細工ブームは歌舞伎にも影響を与え、江戸三座芝居のうち二座がこのテーマを取り入れた。そのほか、落語(笑話)や文芸作品、さらにはお菓子や手ぬぐいのデザインなどにも籠細工が取り入れられました。
見世物小屋の入場料は800〜1000円
さて、今度は江戸時代の人の娯楽の楽しみ方を見てみましょう。見世物の場合、どこでどんな興行をやっているといった情報は、街なかで売られるかわら版や番付と、口コミで収集。今で言えば、かわら版や番付は新聞・雑誌・ガイドブック、口コミはインターネットの書き込みといったところでしょうか。そう考えると、今も江戸時代も、使うツールは違っても、メディアで話題がひろがり、噂で流行が起こるところは、あまり変わらないのかもしれません。当時の江戸はすでに巨大都市で、現在につながる都市文化、大衆文化の源は、ここにあるとも言われます。ちなみに、見世物小屋の入場料は32文で、今のお金の価値にして800〜1000円。やはり気軽に足を運べるのは、このくらいの値段なのですね。
芸能娯楽論
皇學館大学 文学部 コミュニケーション学科
川添 裕教授
人間が元気に生きていくためには、娯楽は欠かせないもの。先にも紹介したように、江戸時代には、歌舞伎、落語、見世物といった芸能娯楽が盛んに行われ、その様子が浮世絵や書物に描かれてさらに話題となりました。明治から大正、昭和にかけては、新たに新聞、雑誌、レコード、ラジオ、テレビが登場し、芸能界はメディアとともに大きく展開していきました。そして現代は、携帯メディアとネットの時代です。こうした芸能娯楽とメディアを相関的に考えていくのが、自身もマスコミ出身の川添先生の授業。主な授業は「メディア論」「芸能論」「表現演習」「国際日本学」などです。
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