スタディサプリ進路進学マニュアルTake action! > Action5 小野 朋生さん

Take action!未来へのきっかけをつかもう

The Beginning Story 未来へのきっかけをつかんだ高校生たち

取材当日、自宅でシュークリームを作ってくれた。たまにレシピを携帯で確認するが、手際がよく動きに迷いがない

最初は食べることが目的だったけれどだんだん作ることが楽しくなった

今回の主人公、小野朋生さんは、既に卒業後は製菓の専門学校へ進むことが決まっている。ではなぜ、彼はお菓子作りに興味をもったのか。話を訊いていくと、小さいころからの家庭環境にルーツがあるようだ。小野家では毎年、クリスマスには「サンタさんのために」クッキーを焼くのが恒例で、クリスマス以外にも姉や兄、そして母と一緒にお菓子を作ることが珍しくなかった。その当時はただ、「甘いものを食べたい」と無邪気に喜んでお菓子作りを手伝っていたが、しだいに「作ることが楽しい」に心境が変わっていったという。
「おいしい!って言われるのが嬉しいんですよね。友達や先生から『売っているものよりもおいしい』と言ってもらうと、作ってよかったなと思います」と少し照れながら話す小野さん。実は家で作っていたスイーツが徐々に友達の間で評判になり、高校2年生当時のバレンタインとホワイトデーにはバスケ部男子や仲の良い女子、さらに先生からもリクエストがあり、数十人分のチョコレートを作ったという。

たくさんの情報を集め、選択肢を絞っていた頃友達との会話にヒントを発見

そんな小野さんが自分の進路について考え始めたのは、高校2年のバレンタインの頃。自分が作ったものを食べて、誰かが喜んでくれる。その魅力を知った小野さんは、将来の仕事として具体的にパティシエを意識し始めた。3年に進級するときには、選択科目でフードデザインを選択。自宅でのお菓子作りのほか、調理や食品関係の勉強にも取り組むようになる。
さらにパンフレットを取り寄せたり、学校説明会へも参加したりと情報収集をするうちに、選択肢はいくつもあることがわかってきた。例えば大学へ進学し、栄養学を学んで管理栄養士の資格を取る道。そして専門学校へ進学し、専門的な知識と技術を身につける道。専門学校とひとことで言っても、調理、栄養学、菓子・パンなど、選択するコースはいくつもあり、学校ごとに学べる内容は違う。さまざまな情報を集め、さまざまな可能性を考えていたころ、小野さんは友達から相談を受ける。「具体的にやりたいことが見つからず、なかなか進路を決められない」という友達に、小野さんはこう言葉を返したという。

情報収集をしながら、姉や兄から学校の話を聞くことも。「目指す分野は違いますが参考になりました」

友達との会話の中で再発見したのは“自分の夢”

「やりたいことが明確に決まっているなら、それを専門的に学べる学校を選べばいいけれど、やりたいことがまだ決まっていないなら、大学へ行ってから考えたり、探したりするのもいいんじゃないか」と。そう言葉にしながら、「あ、これは自分のことだ」と気づいたという。自分にはパティシエという明確な夢があるのだから、専門的な知識を身につけられる学校へ進もう、とあらためて思えたのだと。「友達とのやりとりで、自分も成長できたんですよね」
自分は大学へ進むよりも、より実践的なものが学べる専門学校へ行こう。そう決意した彼は、進路志望を具体的にし、2つの専門学校に絞りこむ。そして特別体験入学に参加した。
「その専門学校の卒業生の方が体験入学の日に来て、いろんなお話をしてくれたんです。それから目の前で飴細工の実演もしてくれて、思わず目が釘付けになりました」
体験入学のことを小野さんは振り返る。

得意なスイーツは?と尋ねると「今はいろんなものを作るようにしています」と小野さん。日々、挑戦中だ

体験入学で職人技を目の当たりにし本気スイッチが入った

洋菓子の飾りに使われる飴細工は、花や白鳥など、さまざまな形にするために飴を熱し、滑らかな状態にして細工を施すもの。飴は冷えると固まってしまうので、熱いうちに素早く細工をしなければならない。約80℃と高温の飴を思い通りの形に仕上げていく様は、まさに職人技だ。「一人前に飴細工ができるようになるには10年、20年かかると言われました」と小野さんは言う。「でも、それを聞いて、『本気でやってやろう!』って思ったんです」
大変なことを覚悟の上で、その道を選ぶ。しかもすぐに結論が出るものではない。「大変そうだからと、別の道を考えなかったのか」と、少し意地悪な質問をすると、「むしろおもしろい、と思うんです」という答えが返ってきた。小野さんはどうやら困難があるほど燃えるタイプのよう。生徒会長や学校行事のまとめ役など、みんながめんどくさがるようなことも、逆に「じゃあ自分がやろう!」と積極的に取り組んできた。その強く前向きな気持ちが、厳しい職人の世界に飛び込む勇気をくれたのかもしれない。

可愛いプチシューが完成。生地はさくっとした食感で、カスタードクリームは滑らか。確かにおいしかった!

学べるものはすべて学びたい そしていつかは自分の店をもちたい

部活を引退し、入学先が決まってから、以前よりもお菓子を作る機会を増やし、かぼちゃプリン、レアチーズケーキ、パウンドケーキなど、いろいろな洋菓子作りに挑戦している。「日頃から作っていないと製菓には進めない」という家族からのアドバイスもあり、進路が決まったからといって羽を伸ばすのではなく、入学までにできるだけ多くの経験を積んでおこうというのだ。
そんな小野さんに将来、どんなパティシエになりたいかを訊いてみると、「まだ決まっていない」と言う。「入学して、学べるものはすべて学んで、そこから考えます」と。
「ただ、一度はフランスへ行きたいです。本場の洋菓子を学んで、ゆくゆくは自分の店をもつのが夢ですね」
困難にも挑戦しようという前向きな、そして実際の経験から学ぼうとする姿勢が、小野さんの進路を決めた。製菓学校での経験を得て、彼がどんなパティシエに成長するか、今から楽しみである。

小野さんの、「自分の未来を見つける」5つの方法

1 やってみないと始まらない! お菓子を作っていて、失敗することもあるんです。スポンジが膨れなかったり、半生だったり(笑)。だけど難しそう…ってやらなかったら、何も始まらない。失敗しても、そこから改善策を考えればいいんだと思います。やりたいことがあったら、まずやってみることが第一歩ですね。

2 普段から家族と会話しておこう 「製菓の専門学校へ行きたい」と言ったとき、家族は反対しませんでした。普段からお菓子を作る様子を見ていたり、やりたいことについての話を聞いたりしていたからだと思います。だから応援してくれたんだと。家族の応援は普段の会話から、だと思いますね。

3 学校説明会やオープンキャンパスを活用して 自分はかなりの数のパンフレットを集めましたが、それでも直接その学校に関わっている人と話をして初めてわかってくることのほうが大事だと思います。在校生や卒業生、先生などから1対1で話を聞くことで、具体的な学校生活が見えてくるはずです。

4 メリット・デメリットを比較する 同じ製菓学校といっても、それぞれの学校には違いがあって、それぞれにメリットとデメリットがある。その中で、自分が重要視するのは何か、実際に学ぶときに何が必要か、きちんと比較検討したうえで、志望校を決めることは必要じゃないでしょうか。

5 自分の気持ちに正直な進路選択を 進路が見えないとき、資格の取得や就職のことを考えて、「これをやっておいたほうが有利かな」とか、自分があまりやりたいと思わないのに続けようとすると、きっと先々、嫌になってしまうと思うんです。「やりたい」という気持ちから進路探しをするほうが、最終的に納得できると思います。

東京都立山崎高等学校3年
小野 朋生さん


2年生のときには生徒会長を務め、中学・高校と6年間続けたバスケットボール部では常にスタメンという体育会系男子。でも実は小さい頃からよくスイーツを作っており、パティシエになるのが今の目標。

The Cover Story鶴田浩之さんに聞く、「自分の未来を見つける」5つの方法

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The Beginning Story
未来へのきっかけをつかんだ高校生たち

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未来へのきっかけをつかんだ高校生たち

いろんな人に喜んでもらえる仕事だから、パティシエになりたい

東京都立山崎高等学校3年 小野 朋生さん

2年生のときには生徒会長を務め、中学・高校と6年間続けたバスケットボール部では常にスタメンという体育会系男子。でも実は小さい頃からよくスイーツを作っており、パティシエになるのが今の目標。

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松野 里咲さんの「きっかけ」先生という夢が明確になったのは、チアのおかげ

小野 朋生さんの「きっかけ」人に喜んでもらえる仕事をしたくてパティシエを志望

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構成/平林朋子 取材・文/夏井坂聡子
撮影/むらいさち デザイン/マイティ・マイティ