ライバルに差をつける!
志望理由書の書き方講座

ライバルに差をつける!志望理由書の書き方講座

志望動機はあるんだけど、とにかく文章を書くのが苦手…。そんな受験生も大丈夫。先輩たちの例も参考にしがら、書き方を学んでいこう。

01

「何を書くか」を考える

「どう書くか」よりも「何を書くか」が大事

「何を書くか」を考える

出願時に提出が必要な「志望理由書」の作成は、入試の第一関門。言い換えれば、大学に自分を知ってもらう最初の機会だ。第一印象が重要なのは、書面上だって同じ。できるだけ良い印象を与えること、そして、読んだ相手にしっかりと伝えることを意識しよう。そのために大切なのは、うまい文章を書くことではなく、自分で考えて自分の言葉で表現すること。思いの乗った文章というのは、読み手の心に響くものだ。一方、誰でも思いつきそうなことをきれいに並べただけの文章は、たくさんの受験生の文章を読むなかでスルーされてしまう。そう、大事なのは中身。まずは、「どうしてその学校に行きたいのか」を改めて考え、志望理由書で伝えるべきことを明確にしよう。

02

書く前に考えるべき3つのポイント

志望理由書を書こう!と思い立っても、いきなり書き始めると筆が止まってない?ここでは書く前に考えておきたい3つのポイントを紹介するよ。

ポイント 1

自分を振り返る

志望理由書の主人公は、ほかでもない「自分」。まずは、自分のことを見つめ直してみよう。どんなことに興味があり、何が得意で、将来はどうなりたいのか。そして、そんな自分は志望校で何を学びたいのか、志望校のどこに魅力を感じたのか。頭の中で考えるだけでなく、ノートなどに書き出してみよう。

ポイント 2

相手を深く知る

相手とは、「志望校」や「興味をもった学問・分野」のこと。その先の「仕事」も含めて考えてもいい。学校のパンフレットやホームページを熟読したり、興味のある分野についての本を読んだりするほか、「同じ学問を学べる志望校以外の学校」についても調べてみると、視点が多角的になるのでオススメだ。頻出のキーワードや気になる言葉、いいなと思った部分などは、マーカーや付箋でチェックしたりノートに書き出したりしておこう。

ポイント 3

自分と志望校とを結びつける

自分のことと相手のことが理解できたら、その2つを結びつける理由を考えてみよう。ポイントは、「何」から「なぜ」へと深めること。「自分は何を学びたいか」を「自分はなぜ〜を学びたいか」に、「自分はこの学校の何に魅力を感じるか」を「なぜ魅力を感じるか」に深化させることで、相手に「なるほど」と思わせる説得力が生まれる。

03

先輩の失敗例から学ぶ

よく書けた!と思った志望理由書も、先生たちから見ると「残念!」なことが。先輩の失敗例を見てみよう。

残念ポイント1

自己分析が甘い!
Q.高校生活で打ち込んだことを以下に述べよ
私がO大学を志望理由する理由は、まず今続けている部活動を大学でもやろうと思ったからです。幼少のころから続けている水泳を高校までで終わらせるのではなく、大学へ進んでからも続けたいです。大学の体育会という厳しい環境下で、精神的にも強くなりたいです。今は毎日、インターハイへの出場を目標に頑張っています。今年は最後のチャンスなので、何としてもやり遂げたい思いが強く、ひたすら努力を続けています。水泳は精神力が鍛えられるスポーツですから、身につけた力を生かし、大学進学後も努力を忘れないようにしたいです。
努力してきた経験を書いたのに…
水泳を頑張ってきたことやこれからも続けたいという意志は伝わるが、「身につけた力」の具体的な内容やそれをどう活かしていきたいかが書かれていないので、「自分らしさ」が伝わらない。
改善ポイント 1
部活(水泳)の魅力を書けばよかった
矢印
自分がやってきたことを深く掘り下げてみよう

「これまで頑張ってきたこと」には、何かしら自分を惹きつける魅力があるはず。楽しさ、喜び、やりがい、達成感などを感じるのはどんなときか、苦しいときもあきらめずに続けてきたのはどうしてか、自分に問いかけてみよう

改善ポイント 2
どういう努力をしているか具体的に書けばよかった
矢印
印象に残っているエピソードを思い出そう

どれだけ頑張ったかを伝えるには、具体的なエピソード(事例)を盛り込むのがコツ。ただの成功体験よりも、壁を乗り越えた経験や失敗から再挑戦して目標を達成した経験を選ぶと、そこから学んだことや身についた力にも結びつけやすい。

改善ポイント 3
自分の強みをどう活かしたいかを書けばよかった
矢印
まずは自分の強みを明確にしよう

自分の強みや身につけた力をこれからどう活かしていきたいかを示すと、進学への熱意が伝わる。そのためにも、まずは具体的にどんな強みや力があるのかを明確にしておくことが重要だ。

残念ポイント2

志望校研究が不十分!
Q.本学を志望する理由を以下に述べよ。
体育学部では、救急救命の現場に携わることができる点も、志望理由の一つです。ほかの大学ではなかなか学べない分野なだけに、O大学が特に力を入れていることを知り、興味をもちました。将来は「人の役に立つ仕事」に就きたいので、医療にかかわる分野を志望しています。私の姉が看護師をしており、その影響で私も医療の現場に興味をもちました。救急救命と看護師の仕事は大きく違いますが、人を助けるという点では共通点があります。
自分が学びたいことはちゃんと書いたのに…
水泳を頑張ってきたことやこれからも続けたいという意志は伝わるが、「身につけた力」の具体的な内容やそれをどう活かしていきたいかが書かれていないので、「自分らしさ」が伝わらない。
改善ポイント 1
もっと学校のことを研究しておけばよかった
矢印
オープンキャンパスに参加しよう

学校のパンフレットやホームページで情報を調べるのはもちろん、志望校のオープンキャンパスには必ず参加しよう。教職員や先輩に直接疑問をぶつけられるオープンキャンパスは、学校への理解を深める最高のチャンスだ。

改善ポイント 2
学部のカリキュラムや授業内容を調べておけばよかった
矢印
学校案内を熟読し、他校と比較検討しよう

似たような名前の学部・学科・コースでも、学校によってカリキュラムや授業内容は異なる。ときには、自分が興味のある分野の授業が開講されていない、進みたい専門分野の研究者(先生)がいない、取りたい資格が取れないなど、致命的なケースも。志望校だけでなく他校の情報も調べて、比較してみるのがオススメだ。

改善ポイント 3
興味を持った分野や仕事についてもっと調べておけばよかった
矢印
その分野についての本を読んでみよう

志望理由書や面接では、「興味のある分野についてどれくらい知っているか」という知識量は求められないが、「なぜ興味を持ったのか」や「学校ではとくにどの部分について学びたいか」などは必ずチェックされる。具体的な書籍名を挙げ、「〜を読んで〜と感じ、〜に興味をもった」などという流れにするとまとめやすい。

残念ポイント3

志望理由の根拠が曖昧!
Q.本学で学びたいことについて以下に述べよ
私は得意な英語を活かし、将来は日本と世界とをつなぐような仕事に就きたいと考えています。そのため、大学では国際政治を学び、英語力にもより一層磨きをかけていきたいです。そして、東京という国際都市にあるO大学で学ぶことで、広い視野と柔軟な価値観を身につけたいと考えています。
自分の強みをどう活かしていきたいかを書いたのに…
「なぜこの学校なのか」という根拠が曖昧なので、「東京にある他の大学でもいいのでは?」と思われてしまいかねない。
改善ポイント 1
なぜこの学校なのかの理由を深めればよかった
矢印
読んだ人が納得できる理由かどうかを客観視しよう

自分の中ではつながっていても、読み手には「どういうこと?」と受け取られかねないことは多々ある。誰が読んでも「なるほど、そういう理由ね」と思ってもらえるよう、「何を・なぜ・どのように」は省略しないで丁寧に書こう。

改善ポイント 2
なぜその業界や仕事に就きたいのかを書けばよかった
矢印
具体的にどんな職業があるかを調べてみよう

「日本と世界とをつなぐような仕事」というザックリした職業観で終わらせず、具体的にどのような職業があるのかを調べてみよう。職業が明確になることで、自分はどうしてそういう種類の仕事に惹かれたのかも見えてくるはずだ。

改善ポイント 3
学びたい学問について一歩踏み込んで書けばよかった
矢印
学校案内で実際の「授業名」をチェックしてみよう

ひとことで「国際政治」といっても幅広い。もう一歩踏み込んで自分の興味をアピールするためにも、学校案内を読み込み、開講されている「授業名」を見てみよう。気になるものをチェックしていくだけでも、自分の興味のある分野が見えてくるはずだ。

04

これが合格できる志望理由書だ!

最後に、志望理由書の実物を紹介。不合格となった先輩の「ダメ見本」を先生に添削してもらいました。自分で書くときの参考にしてみよう!

ダメな志望理由書

かもめ大学 体育学部
都立金剛寺学園 3年B組 進学太郎
Q.本学体育学部を志望する理由を以下に述べよ。
私がジャーナル大学を志望する理由はまず、今続けている部活動を大学でもやろうと思ったからです。幼少のころから続けている水泳を高校までで終わらせるのではなく、進学後も続けたいです。大学の体育会という厳しい環境下で精神的にも強くなりたいです。今は毎日、インターハイへの出場を目標に頑張っています。今年は最後のチャンスなので、何としてもやり遂げたい思いが強く、ひたすら努力を続けています。水泳は精神力が鍛えられるスポーツですから、身につけた力を生かし、大学進学後も努力を忘れないようにしたいです。体育学部では救命救急の現場に携わることができる点も、志望理由の一つです。ほかの大学ではなかなか学べない分野なだけに、ジャーナル大学が特に力を入れていることを知り興味を持ちました。救急救命と看護師の仕事は大きく違いますが、この学校で学んだことを日常生活でも生かしたいと思います。命の尊さ、重みというものをきちんと理解したうえで、責任ある行動をとれるようになりたいです。
頑張って書いているけど、キミの熱意が伝わりにくい。残念!

合格できる志望理由書

かもめ大学 体育学部
都立金剛寺学園 3年B組 進学太郎
Q.本学体育学部を志望する理由を以下に述べよ。
私は将来、救急救命士になって、一人でも多くの人の命を救いたいと考えています。①きっかけはテレビのドキュメンタリー番組です。医療の現場に興味をもち、本を読んだり看護師をしている姉に話を聞きました。救急救命士が直接、人の生死を左右する場所で力を発揮していることを知り、「人のために働ける仕事だ」と興味をもちました。特に法改正によって救急救命士が携われる範囲が広がり、より直接的な処置が可能になったことで、自分にもできることがあるのではないかと考えています。
 ジャーナル大学体育学部では救急救命士の育成に力を入れていて、すでに100人以上の卒業生が第一線で活躍されています。②特に救急救命の現場を再現する山田先生の実習授業では、卒業後すぐに生かせる判断力や処置力が学べそうだと興味をもっています。実践的な授業を多く取り入れる方針は、「手を動かして覚える」という私のスタイルにも合うと思います。
 私は小さいことから「人の役に立ちたい」と常に考えてきました。中学から続けている水泳部や生徒会での経験を通じて、物事への対処力を養ってきたつもりです。③常に冷静に客観的に物事を考えられる私の強みは、救急救命士として働くうえで武器になると考えています。入学後は④責任ある行動をとれるよう、人間性も磨きたいです。⑤御校の理念である「○○○」を胸に刻み、誰からも尊敬される社会人になれるよう努力したいです。
エピソードを忘れずに

学校やその分野に興味を持ったきっかけを、具体的なエピソードを交えた書こう。

学校のココが好き!

なぜこの学校でないといけないのかを、明確にしよう。

「自分の強み」を強調する

自分自身の強みを学校選びや学部・学科の選択につなげて書こう。

学びたいことをアピール

進学後にどんなことを学びたいのかを、具体的に書こう。授業名や教員の名前を挙げてもいい。

「なりたい自分」を書く

卒業後にどんな分野で、どんな活躍をしたいのかに触れてもいい。本気の進路選択だと伝われば、好印象にもつながるはず。

2020年02月25日時点の情報です。